« 3592 知・情・意・・・・ | トップページ | 3594 知・情・意・・・2 »

2019年5月21日 (火)

3593  逆流(逆転)

物事には流れがありそうです。戦後の時代を歩いてきた身としては、その間の時代の流れも見てきました。しかし、最近その流れには一方通行しかないのか、と考え込む事も多くなりました。確かに、時間を遡ることはSF小説や漫画の中でしか出来ないでしょう。しかし、ヒトが関わった営みは、かなりの程度後戻りが可能の様な気がします。やや小難しい言葉で、言えば後戻りが出来ない「非可逆変化」と後戻りが可能な」「可逆変化」という分類になるでしょうか。
前者の例としては、入れ物からこぼれてしまった水が挙げられそうです。覆水盆に返らずの喩えの通り、地面に浸みてしまった水を全て回収することはほぼ不可能でしょう。一方で、可逆変化の例としては、土木工事などが挙げられそうです。例えば、山を削って谷を埋めて道路を作ったとしても、時間と費用さえ掛ければ、もう一度谷を埋立てた土砂をすくって、山に戻すことは可能でしょう。コンクリートに覆われた川の護岸でも、それを剥がして土手に戻すことは可能でしょう。もちろん、増水時の濁流に耐える様な工夫は必要ですが、これに当たる復元工事を、北ドイツで目にした事を思い出します。彼の国では、エムシャー川と言う、工業地帯を流れるドブ川の護岸を剥がして、土手に戻す工事を長年に亘って続けていたのです。もちろん、ドブ川のヘドロを浚い、水質の改善努力を続けた結果、やがて魚や水鳥が戻ってきたのです。
これは、インフラを造り、増やすだけの土木工事を逆流させた例と言えるでしょう。日本で言えば、山の中を通るめったに車の通らない道を、減幅して元の山道に戻せば、削った分の土地には草木が戻り、自然に戻り始めるでしょう。
さて、人間社会のシステムです。戦後の混乱からの復興で、主にB国にリードされながら、新憲法が作られ、工業が復活し、農業も大改革が行われて小作農も無くなりました。政治システムや行政組織も整備され、折々のバージョンアップもあって現在に至っている訳です。しかし、例えば選挙制度がバージョンアップによって改善されたのか、あるいは改悪されたのかは怪しい部分も多いでしょう。3割しか支持率の無い政党が、2/3の議席を占めてしまう様な選挙制度は、やはり理想には程遠いのです。熟考の上でという条件は付きますが、私たちは物事やシステムの逆流(逆転)を畏れるべきではないでしょう。もちろん、逆流させた結果の最終的で持続可能な着地点は慎重に見極めて置く準備は必須ですが。

 

|

« 3592 知・情・意・・・・ | トップページ | 3594 知・情・意・・・2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3592 知・情・意・・・・ | トップページ | 3594 知・情・意・・・2 »