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2019年6月22日 (土)

3610  名山ハント3

山に登る魅力の一つに「心細さ」が挙げられます。投稿者は、夏山しかやっていませんが、夏山でも山深い高山に、平日に登る場合、登山者も疎らです。3000m級の日帰り登山でも、すれ違う登山者が数パーティという事も珍しくはありません。豪雨の日は登りませんが、小雨やガスが掛かった日でも登る場合があります。
今でも思い出すのは、唐松岳から鑓ヶ岳の間に不帰のキレットと呼ばれる難所がありますが、その日は小雨のち曇りで、唐松岳の頂上には誰も居らず貸切状態でした。さて、肝心のこれから渡るキレットの方を眺めて、少しばかり恐怖を感じたものでした。つまり、そのキレットの「切れ具合」が半端ではなかったからです。両側に数百メートル切れ込んだノコギリの刃の様なキレットは、とても渡り切れる様には見えなかったのです。
それでも、意を決して岩稜に取りついたのですが、3点確保とお経の様に唱えながらの岩渡りになりました。なにしろ、バランスを崩して滑落しようものなら、たぶん遺体も発見されないと想像できます。そう言えば、登山口に写真付きで「この人を知りませんか」と書かれた尋ね人の札が2枚下がっていた事を思い出しました。札は、まだ新しかったのでこのシーズンの行方不明者だと思われます。
前後に全く人影は見えませんでしたので、慎重の上にも慎重にこのキレットを渡り切ったのでした。この間の心細さは、たぶん人生でMAXに近かったと振り返っています。同様の心細さは、北アの中心近くの高天原から、大東新道という黒部川源流の一つを遡るルートで感じました。ルートの下には水量の多い黒部川がゴウゴウと流れており、ルートの何ヶ所かは狭いので岩に貼りついて、通らなければならなかったのです。もし落下すると、激流に飲み込まれてしまうでしょう。このルートは、使う人が殆どいないらしく、前後に人影は全く見えません。落下すれば、人知れず溺死して数日後には黒部ダムに変わり果てた姿で浮かんでいる、という恐ろしい想像も出来たのです。この様な心細さは、それが過ぎてしまうと、何故か自分が生きている喜びに変ってしまう様なのです。登山をする意味とは、自分が生きている事の確認行為でもあるのかも知れません。
幸いにもこれまでの75個の名山巡りでは、一度だけ滑落しそうになったのを除けば、命に関わる様な危ない目には遇っていませんが、残りの25山には北海道の9山の含まれますので、クマ対策は怠らない様に登るつもりです。この表題では一旦終了します。

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