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2019年8月21日 (水)

3643  環境モラトリアウム

モラトリアムという言葉があります。日本語にすれば支払猶予や怠慢とでも言うのでしょうか。表題の「環境モラトリアム」とは、辞書に載っている言葉ではなく、環境の悪化が顕著になっているにも関わらず、殆ど手を打たず、成り行きに任せている状況を指す、投稿者の造語なのです。モラトリアムの後に来るのは、実はより悪い状況であるのは、例えば借金の返済を猶予して貰った人のその後を想像するだけで十分でしょう。
環境悪化、例えば環境汚染を考えてみると、環境が持つ自然の浄化作用で、放置したとしてもいくらかは軽減される場合もありますが、重金属など分解されない(分解されにくい)汚染物質が原因の場合は、汚染が世代を超えて長く続く事になります。ましてや汚染源からの発生をそのままに放置し続けた場合には、汚染が酷くなり、ある限界(後戻りできない点=Point of no return)を超えてしまうと、人々や生物に多大な害悪を及ぼす結果につながるのです。
借金の例の場合、負債を返済するにはひたすら働き、少額でもコツコツと返済を続けるしか道は無いのです。環境悪化においても、先ずは汚染の原因を取り除き、然る後に汚染を少しずつでも取り除く努力を続けるしか方法は無いでしょう。しかし、考えてみなければならないのは、例えば放射能の除染と簡単に言いますが、実は取り除いた汚染物質は何処か別の場所に移動させるだけですから、正しくは「移染」と呼ぶべきなのです。真に汚染を軽減できるのは、汚染物質を無害なものに分解するか中和するなどの方法で、毒を弱めるしかないのです。その意味で、私たちの文明は未だ放射能を無害化する技術を手にしてはいないのです。それでもなお、放射性廃棄物を生み続ける原発の稼働に突き進む政府やそれを指示する業界や人達は、「環境モラトリアム勢力」と切り捨てるしかありません。

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