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2019年9月29日 (日)

3666  積上げ方式

民放のニュース番組で、来たるべき異常気象頻発時代の特集に見入ってしまいました。大型コンピュータを使っての近未来の気候の予測によれば、台風は2割大型化し、風速67メートルにも及ぶ超大型台風も珍しくなくなるとか。同時に、日本近海の海水温の上昇が固定化し、近海で発生し、1日又は数日で急速に発達し、間髪入れずに上陸するゲリラ台風も多くなると言うのがコンピュータの出した予測だったのです。
気候変動に対しては、今大胆な手を打ったにしてもその結果を確認できるのは、たぶん数十年後になる筈です。だからこそ、16歳の少女の世界を巻き込んだ温暖化防止を呼びかける活動も重要な意味を帯びてきているのだと思います。しかし、徒に危機を煽ってやる気の薄い政治家を悪者にしても実際に動き出す行動は限定的になるでしょう。プラスチックごみに対する政策として、僅かにレジ袋の有料化が始まるだけ、といったささやかで象徴的な政策しか期待は出来ないでしょう。
ならば、熱の無い政治家になど任せないで、企業が、あるいは私たち消費者が立ち上がり、温暖化防止に関して、どんな行動が可能で、しかも実際にも効果が期待できる方策は無いのでしょうか。投稿者が提案しているのは、積上げ方式と呼ばれる行動です。それは、エネルギーで言えば最低限必要なものから優先順位を付けて順位の高いものから積み上げていくと言うものです。企業で言えば、生産に直接必要なエネルギーを「青色エネルギー」と規定しますが、一方で工場内の横移動に使われる搬送エネルギーや空調、圧縮空気を使った掃除機などはそれが無くとも生産は持続継続できるので「黄エネルギー」に分類、待機電力や誰もいないスペースの照明や空調などは「赤エネルギーに区分して、それを棒グラフなどにして積上げる訳です。
多くの企業の環境や省エネへの取組みを観察する中での結論は、青エネルギーはいわゆるメーカーで40%前後、黄色エネルギーも同じ程度、残り10%前後だけが赤エネルギーという割合になっていたのです。つまり、通常の意味の省エネ行動では、頑張っても10%程度しか削減出来ないと言う結論になるのです。これでは、温暖化防止行動としては「焼け石に数滴の水」と言われても仕方がないでしょう。私たちが着手すべきは、黄色エネルギーを目の敵にする事なのです。スレートの屋根や壁の「安普請」の工場建屋のままにしておきながら、夏冬の冷暖房に多大なエネルギーを使っている工場の何と多い事でしょう。思い切って、屋根や壁に300㎜もある様な断熱材を入れた工場に改装するなら、冷暖房費だけでも半分以下に削減可能なのです。コンプレッサー電力も大きな割合になっていて無駄使いも多いので、これも半分以下に圧縮できる筈です。冷暖房と圧縮空気に関するエネルギーの半減で、全エネルギーの30%は削減可能でしょうから、赤エネルギーの10%を合算すれば、工場のエネルギー半減も視野に入ってくるでしょう。とはいうもののそうなってもやっと、温暖化の加速に緩やかにブレーキが掛かる程度なのですが・・・。続きます。

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2019年9月28日 (土)

3665 価値観

時々、価値とは何かを考えます。人類を基準とする物差しで考えれば、たぶん多くの人々はモノやモノを買うためのお金が十分手元にある事を価値と見做すでしょう。しかし、動物にとっては、あるいは植物にとっては、あるいは環境にとっての価値はと考えるとそれは大きく異なる筈です。想像ですが、彼らにとっての価値とは、結局は「変わらない事」ではないかと思うのです。今も、10年後も100年後も現在と同じ状態が保たれていれば、子孫を残せますし、十分ではないにしてもそれなりにエサや養分を手に入れる事ができると思うからです。
さて、人がモノやお金を手に入れるためには、経済活動が不可欠でしょう。もちろん、自給自足でモノを手にする事は可能ですが、それでは自分が作れないモノを手に入れるためのお金は手に入りません。しかし、本当に人にとっての価値の物差しはモノやお金しかないのでしょうか。人にとってもやはり変わらない事は価値だと思うのです。変らない=安定している事は、人々の心に安寧をもたらすでしょうし、変る事による不安も最小限に抑える事もできるからです。山間の田舎で暮らす高齢者が、若い人や子供が少ない事を除けば、ほぼ自給している食糧を隣近所で分け合いながら、伝統的な暮らしを続ける中で、本当に穏やかな表情をしているのは、彼らのココロの幸福度を如実に表していると思うのです。
結局、現代社会においては、モノやお金など手にして勘定できるものだけしか認めない文化になってしまったのかも知れません。目に見えないもの、例えば人と人、あるいは人と動植物などとの絆を感じた時の幸福感や、自分や他人のために何かを成し遂げた時の達成感や、あるいは他人に認められ承認欲求が満たされた時の満足感など目には見えない幸福度の物差しは、さながら存在しないものとして軽んじられてしまっているのです。
しかし、考えてみなければならないのは、あらゆる経済活動においては、間違いなく環境負荷が発生すると言う事実でしょう。モノを作る、運ぶ、それらを手に入れるためのお金を稼ぐ行動、不要になったモノを処理するにも、必ず環境から掘り出した資源やエネルギーを消費し、一方ではそれを廃棄し続けなければ、経済活動は直ちにフン詰まりを起こしてしまうでしょう。つまり経済活動とは、資源やエネルギーの絶え間ない流れを必要とする点、滔々たる大河の流れと全く同じ本質を共有していると思うのです。経済活動を無理に拡大しようとすれば、川が氾濫を起こす様に、経済バブル(=負債の洪水)が弾けたりもするからです。人々が、、肥満など起こさない程度に食を得て、精神的満足感や幸福感を感じながら文化的に暮らすには、経済活動の川をどの程度に絞る事ができるのか、私たちは真剣に考えなければならない時代だと思うのです。続きます。

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2019年9月25日 (水)

3651  台風考2

強風による風圧は、風速の二乗に比例します。ということは、現在の基準で風速40mに耐えられる住宅や電柱などのインフラを、例えば50mにも耐えられる様に作り直すには、強度的には約1.6倍に補強する必要があると言うことになります。電柱だって、一回り太くする必要があるでしょう。しかしながら、電柱の構造(プレストレスト・コンクリート)の規格は、JISで明確に決められていますから、先ずはそこから作り直す必要があるのでしょう。事務手続きが遅いのが特徴のこの国ですから、実際に頑丈な電柱なり、インフラの規格が改定されるまでには、少なくとも10年は必要でしょう。実際にその規格でモノが作られるのはその後になるのです。
従って、それまでの期間、私たちは知恵と工夫で乗り切るしかなさそうなのです。何を工夫するかですが、風圧を低減するにはいくつかの方法が考えられます。電柱や鉄塔は、地面に立っている片持ち梁ですから、折れない様にするには背の高さを低くするしかなさそうです。しかし、電線は電柱や鉄塔の一番上に張られていますので、それを下げるのは至難のワザでしょう。そうであれば、何らかの補強を考えるしかないでしょう。片持ち梁を補強する最良の方法は、支線(ステー)を付けることでしょうか。電柱などでよく見られるあの斜めのワイヤーです。電柱が倒れるのは、実は電線が引っ張っている方向ではなく、電線の方向と直角の方向になるのです。しかし、通常電柱は道路に沿って並んでいるので、道路側にステーを張ろうとすれば、道路上にステーの基礎を置くか、あるいは道路を横切った反対側に基礎を設け、ステーはその下を車が通れるように、道路面に平行に張る必要があるでしょう。これは現実的ではありません。
残る手段は、電柱そのものの補強です。例えば、新幹線の高架の支柱の様に、カーボン繊維と樹脂で補強する方法が考えられますが、工法は全く異なるでしょう。鉄道高架の支柱が受ける荷重は専ら圧縮ですので、支柱を繊維でグルグル巻きにするだけでOKです。しかし、電柱が受ける荷重は曲げですので、折れ始める側の表面には引張力が生ずるのです。そのため、電柱は鉄筋で補強されていますが、設計荷重以上の力が掛かると、コンクリートの表面が割れはじめるのです。引張応力を低減させるには、繊維を長手方向に張り付ける必要がありますが、グルグル巻きにする方法ではNGなのです。最低でも、繊維を45度以上に傾けてダイヤ目に巻きつける必要があるのでしょう。実際、航空機のカーボン製の機体は、その様に繊維が巻かれているのです。先ずは、その様な機械を開発する必要があるでしょう。少なくとも、既設の天文学的な数の電柱を全て頑丈なものに交換するよりは、補強機械を使っての補強の方が一桁以上安く上がる筈です。

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2019年9月24日 (火)

3663 台風考

台風17号が日本列島を駆け抜けました。そもそも、台風のエネルギー源を考えると、それは間違いなく太陽光でしょう。その太陽光が、海水温を上昇させ、それによって大気中の水蒸気量が増え、それが台風に供給される結果、台風が発達し、移動中のパワーを維持し続けるのです。何度も書く様に、台風の卵はエベレスト山脈の下流に、偏西風が起こした左巻きの「カルマン渦」なのですが、フィリピン沖の高い海水温によってパワーを貰い北上を始める事になります。温暖化傾向によって、台風の通路に当たる日本近海の海水温が、例えば30年ほど前に比べて2℃程度高くなっており、台風はパワーを増強しながら北上する事が可能になっているのです。
その結果、台風15号でも今回の17号でも強い勢力のまま上陸したり、陸に接近したりする事ができる様になっているのです。残念ながら、温暖化を進めてしまったのは私たちですが、この状況を変える事はほぼ出来ないと言うしかありません。というのも、温暖化は数十年スパンの気候変動現象であり、悪い事にはその過程には「イナーシャ(慣性)」があるので、たとえ二酸化炭素の排出をたったゼロに出来たとしても、温暖化が急に止まる訳ではないのです。さながらそれは、高速で車を走行させていて、停止するためにアクセル離した状態に似ています。車にはブレーキが付いていますが、気候現象にはブレーキは存在しないので、温室ガスの放出を完全ストップしたとしては、車で言う「空走状態」になるだけなのです。車は行き脚の分だけ走り続けるしかないのです。
従って、私たちは、今後次々に襲いかかる台風によってもたらされる「風速50m」にも耐える住宅なりインフラ補強を、地道に続けるしかないのです。強風によって屋根の瓦やトタンが飛ばされる被害に対しては、例えば、台風襲来前に強力なネットで屋根を覆い、飛散被害を受けない様に対策をしておくべきでしょうし、道路や電線を寸断するおそれのある樹木などは、予め伐採を進めておく必要もあるのです。そうでなければ、今後とも台風被害による大停電やインフラや住宅被害を食止める事は出来ないでしょう。何故なら、この国のインフラや住宅設計における台風に対する基準は、たぶん風速40m程度以下の想定しかしていないからなのです。

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2019年9月23日 (月)

3662  北極調査団

大型砕氷船を使って、北極点において1年間に及ぶ長期の定点観測・調査がスタートするとの小さなニュースに注目にしました。これは、近年北極圏において顕著に進んでいる温暖化を、綿密な観測によりデータに裏付けようとする国際的なプロジェクトである。北極圏でどの程度温暖化が進んでいるかと言えば、例えば夏場には殆ど浮氷が融けてしまう事が知られていますが、気温について言えば、夏場には北極点の気温が、ドイツ国内で観測された気温を上回ったとの報告もあるほど、温暖化の進み方が酷いというのです。
北極海の浮氷はもちろん海に浮いていますので、それが融けたとしても特に被害は出ないのでしょうが、しかし北極圏にはグリーンランドという世界最大の氷河に覆われた「島」があり、同様にシベリアやカナダやアラスカの凍土地帯が含まれている事は看過できないでしょう。何故なら、氷河解けた場合には、間違いなく海面上昇が起こりますし、凍土地帯の凍土が融ければ、夏場には沼地が生まれ、未分解の有機物がメタン発酵を始める結果、大気中のメタンガス濃度が増加して、温暖化がますます加速する事になるからです。ちなみに、メタンガスの温暖化効果係数は、二酸化炭素の20数倍にもなる「強力な」温暖化ガスなのです。
いずれにしても、北欧の女の子一人にだけ温暖化の危機を叫ばせておくわけにはいかないのです。今回の調査団に米国の研究者も同行していて、温暖化は起こっていないと強弁し続ける彼の国の大統領に、ぜひグーの音も出なくなる様な結果を突き付けて貰いたいものです。今日は短く。

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2019年9月20日 (金)

3661  リスク管理の欠如

昨日の判決によると、Fクシマ原発事故に関しては、誰も「刑事上の責任」を負わないのだそうです。原発での事故といえば、放射能漏れ事故を思い起こしますが、もちろん最悪の事故と言えば間違いなく原子炉の入れ物である圧力容器やその外側の格納容器が、高温となった燃料の熱で溶ける「メルトダウン」でしょう。実際にもFクシマではその事故が起こってしまった訳です。
最悪の事故が起こらないように、緊急炉心冷却装置などが設置されてはいるのですが、それは少なくとも非常用電源が確保できているという前提に設計されているのです。しかし、Fクシマでは地下に設置されていた、非常用発電機やバッテリーなどの電気設備が津波による浸水で使えなくなり、当日宿直していた要員は、為す術もなくメルトダウンを迎えるしかなかった訳です。そもそも、非常用発電機やバッテリーを地下に入れるという設計思想が全く納得できません。最悪のリスクを想定するのであれば、当然の事ながら地下室への浸水も想定されて然るべきでしょう。その想定が行われていれば、非常用発電機は2階以上か、あるいは発電所の裏山の高台に設置されていたでしょう。冷却水ポンプのモーターだって、ポンプは地下に置く必要があったにせよ、例えば長い中間軸を付け加えて、モーターだけは2階以上に設置する事も可能だった訳です。
つまり、T電や安全保安院のリスク想定に津波による冠水など「全く想定されていなかった」ということなのです。もちろん、T電だって津波の想定はしていたでしょう。しかし、それは僅か数メートルの高さという「楽観的過ぎる」想定でしかなかったのです。
実際は、誰かが事前に最悪のケースとして想定していた様に15mを超える津波が来襲したのでした。もし、当時の責任者が、上に述べた比較的安い費用で実現できる、非常用発電機の移設とモーターの対策さえ取っていたら少なくともメルトダウンは回避出来ていた筈なのです。もちろん、今各地の原発で行われている様な、長い期間と費用の掛かる高い防潮堤の建設は不要なのです。リスク管理とは、天災から全てを完璧に守ることではなく、実際にそれが起こっても、最悪の事故だけは回避できる手を打っている事を意味するのです。誰も結果に対して責任を負わず、ウヤムヤにして最後はカネだけで始末を付けようとするのは、この国の悪しき文化だと断ずるしかありません。

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2019年9月19日 (木)

3660 災害の背景

災害が発生する度に、マスコミがこぞって行うのが、その災害が何故起こったのかの犯人探しです。今回の千葉の災害でも、特に電力の復旧が遅れている状況が日夜報道され、それは何故なのかとの(やや底の浅い)分析が加えられます。数千本の電柱が倒れた未曾有の災害であったにせよ、復旧を妨げているのは間違いなく倒木の多さでしょう。千葉は、意外にも隠れた森林県でもあり、しかもスギの人工林の割合が多い地域もあるのです。手入れの悪いスギ林にありがちな状況として、枝払いが行われていない事によるトップヘビー化、間伐が行われないていない結果としての内部が腐朽した木の増加などが考えられます。
台風による倒木被害が多いのはこうした状況が進んでいる人工林なのです。少し前になりますが、三重県の人工林(熊野杉)で起こった強風と降雨によって大量の倒木が発生し、その後の豪雨で川を流れ下り、三河湾を覆い尽くした光景が想い起されます。これも、手入れの行き届かない人工林が引き起こした、半天災、半人災の災害といえるでしょう。
近年の災害の多くは、その背景には間違いなく、人の活動が隠れている場合が多いのです。大量の倒木、電線の破断、復旧の遅れの背景には手入れの悪い人工林があったのです。つまり、これは電力供給を管理する「経産省」だけで収束する問題ではなく、河川を管理する国交省、山の利用を管理する農林水産省、全体としての環境を把握しなければならない環境省が、一致協力して事に当たらなければ、今後同様の災害が多発する事にもなり兼ねません。山林の放置は、人が住む地域における地震や豪雨によって引き起こされる山崩れや鉄砲水の直接的な原因ともなり得ます。
私たちは、天災と呼ばれる災害発生原因の殆どには人災的な背景がある、と改めて銘記しなければならないのでしょう。それに予め手を打つことよって、大災害発生時に右往左往するのではなく、災害を小さい範囲内にとどめる、災害に強い国土になって行くのです。高齢者が、楽しみで山に入る事によって、山手入れが進み、彼らが健康になれば医療費が削減され、山林の保護にもより多くの予算が回る様になるかも知れません。もちろん今の制度では、老人が健康になれば厚労省の手柄となり、浮いたお金は間違いなく新たな厚労行政に回されるのです。近年の災害多発の背景には、縦割りの省庁という行政の仕組みがある事もまた否定できないでしょう。

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2019年9月14日 (土)

3659  小粒台風だが

台風15号は、サイズとしては小粒でしたが、中心気圧はかなり低下してしまいました。台風の発達度合いは、概ねそれが通過する海域の海水温の高さで決まってしまいます。海水温が高いということは、海面からの水蒸気の発生が活発で、台風中心の上昇気流を加速すると同時に台風に水蒸気を供給する事につながります。つまり、台風が強大に発達する訳です。しかし、これは必ずしも台風のサイズを大きくする事には繋がらないのです。サイズが大きな台風は、元々渦の直径が大きく生まれているので、高い海水温で強さや雨量は増加しますが、サイズまで発達する可能性は低いのです。サイズが拡大する場合には、台風を巻き込む偏西風の蛇行が関係している場合が多いと思われます。
一方で、今回の千葉県の被害が如実に示した様に、近年は小粒でも強い台風が多発傾向にあるので、特に台風進路の右側に当たる地域では、台風サイズに惑わされず、強風・豪雨に十分備えたいものです。それにしても、一定以上の強風下では鉄筋で補強された電信柱が簡単に折れてしまう事が証明されてしまったので、その復旧に長い時間が必要である事を改めて認識させられてしまいました。停電では、水道水を上げるポンプも止まりますし、浄水場もストップしてしまいます。つまりはインフラ崩壊のダブルパンチです。私たちが、如何に電力だけに依存した社会構造になっていて、それ無しには生活が成り立たない事が暴露されてしまった形です。夏場に日本近海の海水温が高い状態は、既に常態化しており、今後とも強い台風の直撃は避けられそうにありません。
そのための対策ですが、台風が防げない限り、自衛策としてはやはり各戸ごとの独立電源や共同の井戸、冬場には常用の熱源の他に代替熱源などの準備が必要だと言えるでしょう。投稿者の家では、小型ですが太陽光で補充電できるバッテリー式の独立電源、車から100V電源を得るためのインバータ、風呂の熱源は通常は太陽熱温水器ですが、それをペレットボイラとプロパンガス給湯器でバックアップできる様にしています。但し、断水に関しては現状バックアップがありません。いずれ検討が必要ではあります。

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2019年9月10日 (火)

3658  異常海水温

今回の15号は、特徴的な台風でした。その特徴とは、小さくまとまったコンパクトサイズでありながら、非常に気圧が低く、強い台風だったと言う点です。台風の多くは、南の海上で発生しますが、その大元はジェット気流が高い山に当たった際に出来るカルマン渦であると言われています。アジアの東端では高い山とはヒマラヤ山脈が該当します。北半球では左巻きの渦が強められるので、多くはそれらが生まれるフィリピン沖が台風の生まれる地域になる訳です。
しかし、台風を発達させるのは高い海水温である事は銘記すべきでしょう。今回の15号も、通ってきた経路の海水温は、すぐ陸地の近くまで30℃とか29℃に達していた様なのです。近年、温暖化の影響から、気温も海水温も高くなる傾向が続いていますが、これは今後とも台風の多発と強大化傾向が続くと言うことを意味してもいます。
天気図を見ると、今まさにフィリピン沖に熱帯低気圧があり、数日内には新たな台風に発達しそうな感じがします。これは、かなり大きなサイズの台風になるポテンシャルを持っている熱低の様ですので、油断が出来ません。これまでに比べて異常に高い海水温は、台風ばかりではなく、この国の気象全体に影響を及ぼすでしょうし、その他にも農作物や漁業などの1次産業にも多大な悪影響を及ぼさずには置かないでしょう。省エネで化石燃料使用量(CO2発生量)をホンの少し減らす程度では、この規模が大きく、長期亘る海水温上昇傾向に歯止めを掛けるは難しいでしょうし、どうすれば良いのかまったく途方に暮れてしまいます。

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2019年9月 9日 (月)

3657  ささやかな自社製品

企業の源泉は、どの様にQCD(=品質やコストや納期)を守って製品を作るかでなく、どの様な機能やサービスを市場に提示して、それを受け入れて貰うかにある筈です。つまり、下請けに甘んじて下を向いてモノを作っているだけでは、企業に元気は出てこないのです。たとえ、初めはささやかなモノでも、キラりと光る自社製品が必要だと思うのです。
これまで投稿者が目にしたいくつかの例を挙げましょう。一つ目は「毛抜き」です。岐阜県の山間部で、小さなスプリング(板バネ)ばかりを作ってメーカーに納めている小さな企業がありました。この企業は、一念発起して有り余っているバネ素材を利用して、デザインや色が可愛らしく、毛もしっかり抜ける毛抜きを開発したのです。メーカー向けの部品としてのばねの単価は、たぶん数円~数十円程度だったと想像していますが、ネットで販売を始めた毛抜きには、7-800円と言う定価を設定したのです。しかし、女性に支持されまた口コミで広がった結果、この毛抜きはバカ売れ商品になったのでした。
別の例では、愛知のフォークリフトの部品ばかりを作っていた企業が、余っているアルミ素材を利用して、スマホのスタンドを開発したのです。しかし、ただのスタンドではなく、スマホの小さなスピーカから出た音が、特殊な渦巻き型の穴を通る間に音が拡大されると言う優れものなのです。つまり、電源の不要なスタンド兼スピーカになる製品だったのです。スマホ毎に専用製品を作り、これをネットで売り出したところ、ジワジワと売れ始めのです。きれいな金属用の着色を行い、新しく自社のロゴを入れて、2万円ほどの値段を付けたのですが、スマホ世代には受け入れられた様なのです。渦巻き型の穴の形状は、公設試の協力を得て開発した様です。
結局、今の時代、ネット販売と言う手段がありますから、勝手に製品を開発し、それを売りさばくに当たっても、販路開拓などの手順は省略可能な時代なのです。製品の安全性が問題なく、怪我などの事故につながる様なものでない限り、PL法だって回避できるでしょう。であるならば、B to Bの製品しか作ってこなかった中小メーカーだって、いきなりB to Cの製品を売り出すことも十分可能な時代だという事に気付くべきなのです。

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2019年9月 8日 (日)

3656 メーカーは何を作るか

県内でも有数のエレクトロニクス企業を見学する機会がありました。県内に誘致された時は、数人規模で創業したこの企業は、現在従業員も400人以上となり、既に操業50年以上の歴史もあり、ラインの品質管理もしっかりしている様に見えました。基盤に部品を自動で実装し、ハンダ付けも自動で行うラインも素晴らしく、必要なエリアはクリーンルームとなっていて、モノ造りに関しては素人目に見てもたぶん世界水準なのでしょう。しかし、話を聞いてみると少し寂しくもなって来たのです。つまり、ほぼ全ての部品は、親会社や元請からの受託生産であり、少なくとも自社ブランドで製造販売している製品は無いようでした。
この工場は、かつてのポケベル全盛期に、専用工場として建設された様で、その後は何度かの事業再編や企業合併を経て、今は大手総合電機企業が株主となっている「丸抱え企業」となっている様でした。という事は、ここは、例えば自社でアイデアを出し、製品開発を行う人材も組織も持っていない、「単なるモノ造り工場」であるという事になるのです。ある製品は、製品寿命と言うものがありますので、生産量に山谷があり、最後は生産終了となるのでしょう。親会社は、その次の世代の製品を開発し、この企業に製造委託をするのでしょう。しかし、相手は大きな市場ですから、品質が高いと言う理由だけで、この企業の将来が安泰であるとも言えないでしょう。
企業は、たとえささやかなモノでも「自社製品」を持つべきだ、と言うのが投稿者の持論です。小規模な開発で、販売価格がそれほど高い製品でない限り、開発費や設備投資費も殆ど掛からない筈なのです。しかし、製品には自社のブラント名が記され、自社の販売ルートで売り捌かれるのです。秋田の大手企業であるTディケー社が、かつて自社ブランドで販売を始めたのはカセットテープでした。消費者が実際に手に取る製品に、ブランド名が記されていると企業の知名度は一気に上がるでしょう。しかし、残念ながらこの大企業は、カセットテープやCD盤などが売れなくなると共に、自社製品の販売を止め、他のメーカー向け(B to B)の部品作りメーカーと言う黒子に徹することとなったのです。
訪問したエレクトロニクス企業だって頑張れば、自社製品を生み出す事は可能です。先ずは、手のひらに載るサイズの製品で構わないのです。例えば、かつて投稿者が思いついた、安価な電子製品のケースですが、それは車の運転席に装備し、車の加速度を検知して音声で警告を出すと言う単純なものです。つまり、急加速や急停止は車の燃費も悪化させますし、何より安全な運転ではありません。それに適正な警告を発する事が出来れば、省エネドライブ=安全運転も広がるかも知れません。開発も容易ですし、乾電池で動く様にすれば売値も数千円程度に抑えられるでしょうから、開発リスクも小さいでしょう。

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2019年9月 7日 (土)

3655  科学技術の黒歴史

科学技術の黒歴史を紹介するETVの番組を欠かさず見ています。題名は「フランケンシュタインの誘惑」となっていますので、科学技術の失敗作として(死体を繋ぎ合わせて作ったとされる)フランケンシュタインを象徴的にタイトルにしたものなのでしょう。毎回登場する科学者や技術者の多くは天才的な才能は持ってはいるのですが、自分の才能と信ずる事を唯一無二と思い込み、なりふり構わず開発に突き進むパターンは番組を通じて通底しています。
それは、高性能の爆薬を開発したN-ベルに始まって、放射能を見出しその放射能の犠牲になった科学者夫妻、更には原爆の父と呼ばれたR.Oペンハイマー等、結果として見れば戦争などを通じて多くの生命を奪ってしまった天才たちの黒歴史の番組になっているのです。もちろん、冷静になって考えれば、彼らにも自分が開発しているモノが、使い方次第では殺戮兵器に転用できる事は分かっていたでしょう。しかし、彼らは開発が成功した時の快感や名誉欲の充足の虜になってしまっており、抑制が外れてしまっていたと想像されます。まさに、天才と狂気の同居に他なりません。
原発にしたって、数度の原発事故を振り返れば、非難を余儀なくされた人達の中には、直接的な放射能被曝ではなくとも、かなりの数の原発非難関連死があった事を考えれば、まさに黒歴史を刻んできたと言わざるを得ないでしょう。そう考えれば、例えば便利だと思って開発された車が、これまで何人の人達を事故で殺してしまったのか、など等。考えてみれば殆ど全部の科学技術は陽の当たる面と、真っ暗な影の部分を併せ持っていることに気が付くのです。
ではどうすれば良いのかですが、私たちは常に自分達が科学技術を使って作り出したモノやシステムが生み出し結果を監視する義務を負っていると思うのです。それを生み出した人達は、やがて亡くなってしまうかも知れませんが、少なくともそれを使って、利益を享受している私たちにもその義務は回避出来ない筈なのです。科学技術の成果を使えば、エネルギーを消費するでしょうし、それを使い終わった際には必ず廃棄物(ごみ)として捨てられるでしょう。CO2を出さないエネルギー源とされる原発だって、運転によって多量の核廃棄物を生み出すでしょう。私たちは、その電力を消費しているユーザーでもあるのです。その意味で、原発は即時に廃止を決めるべきでしょう。

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2019年9月 6日 (金)

3654  この国の行く末

N羽宇一朗が書いた新書を読み直しています。この国の在り方に対する氏の提言本です。大きな商社のトップをつとめ、その後も中国大使などの公職をつとめた国際派ですが、氏のバランス感覚が飛び抜けて高いと感じています。その提言でも、当然の事ながら、大小の国に囲まれているアジアの島国であるこの国が、戦後のB国の陰に隠れながらベッタリとくっついてきたこの国の政策(とは呼べない様な気もしますが)には批判的で、全ての国と適当な距離を保ちながらのバランス外交を勧めているのです。
残念ながら、近年のこの国の政治家の中には、その国際的なバランス感覚の持ち主は見当たらない様に思えます。先人が長い年月を掛けて築いてきた、それなりに良好だった隣国関係でさえ、売り言葉に買い言葉スタイルで、短期間の内に険悪に空気に変ってしまう事さえ起こっているのです。広い気持ちで、相手を包み込む様な対応も考えられるのですが、どうやら今のリーダー達は、彼の国の「Deal」がお得意な大統領の影響を受けている可能性もあります。何ともはや、他人の影響を受け易く、自己と言うモノが確立されていない情けない人たちでしょうか。彼らに、この国の命運が託されていると思うと、たまらなく心配になるのです。
そう言えば、この国の政治家連中から、将来この国をどの様な国にすべきか、したいのかと言ったビジョンを聞いた覚えがありません。ビジョンの無い(成り行き)の国家運営が如何に危ういものであるのか、少なくとも先の大戦で軍の暴走を止められなかったこの国は、手ひどく学習している筈なのです。口を開けば、景気浮揚を強調し、無策な景気対策を何とかミクスと美化し、B国盲従を反省しようともしない、この国のリーダー達をこのまま放置して良い筈もないでしょう。何度も書く様に、このブログは批判のための批判を目的にしてはいませんが、時々ガス抜きのために腹にしまっている事を書かないと、ストレスでとてもやって居られません。なので、今日はついリーダー達のバランス感覚の欠如を嘆いてしまいました。

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2019年9月 2日 (月)

3653  強大ハリケーン

フロリダ半島を舐めようとしているハリケーン・ドリアンは、ついにカテゴリー最強の5に成長した様です。中心気圧も910hPa台まで下がってしまったとの事で、これは、海水を万遍なく1m程度の高さに吸い上げるほどの「真空度」となっている事を意味します。高潮とカリブ海の湿気をたっぷり吸ったハリケーンは、未曾有の降雨ももたらすでしょうし、何より風速80m/s以上と言う強風が最大の脅威でしょう。これは、ほぼ新幹線並みのスピードなのですから、体感としては新幹線の窓を全開にして顔や腕を出している様なものでしょう。
台風やハリケーンの強大化は、温暖化による気温上昇⇒海水温の上昇⇒大気中の水蒸気量増加⇒雲量の増加と積乱雲の発達⇒台風・ハリケーン等の強大化、というロジックで説明されていますが、ここでのキーワードと言うか背景には[上昇気流の速度増加]があるのでしょう。上昇気流は、地表と上空の温度差によって生じます。その差が大きい程、当然の事ながら上昇気流は強まります。上空5000mと地上の温度差が40℃を超えると、急激に上昇気流が強まり、雷雲が発達する事が知られています。
更に、この雷雲から台風・ハリケーンへの加速・強大化させるのは、雲を回転させる「渦」の存在でしょう。北半球では、地球の自転に伴う「コリオリの力」によって、反時計回りの渦が強まります。では、その最初の渦は何処で発生するのかですが、それは偏西風が4-5000m級の高い山に当たる事によって生ずる「カルマン渦」だと言われているのです。カルマン渦がはっきり観察できる例は、鳴門海峡などの渦潮ですが、当然のことながら同様な渦は大気中でも発生します。大気の渦の場合、渦が発生しコリオリの力で発達するまでに2-3000㎞の移動距離が必要だと言われていますが、台風の場合はヒマラヤ山脈の下流に当たるフィリピン沖等、ハリケーンの場合はロッキー山脈の南端の下流に当たるカリブ海が発生場所となり易いのです。偏西風は、近年蛇行が大きくなっているとも言われ、蛇行がカルマン渦の強度を上げている可能性も否定できないでしょう。つまり、偏西風が蛇行してカーブするポイントとカルマン渦が重なると渦は強まるのです。
いずれにしても、気象に関わる多くの指標が台風やハリケーンの巨大化を加速しているのは間違いなさそうです。この傾向が何処まで行くのか末恐ろしい気もします。

 

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2019年9月 1日 (日)

3652 方向転換

ここ数年の世界のざわめき様は異常と言えそうです。どうやら人間は、権力を握るとそれを利用して自分の影響力を試してみたくなる様です。僅か144文字のツィートでも、権力を握っている人間が書くと、翌日の株価や緊張している国際関係にもすぐにリアクションが現れます。つまり、世界の情勢は、安定期などではなくむしろ、一つブロックを外せばガラガラと崩れる「積み木」の様な不安定要素を多く孕んでいると言えそうです。
投稿者は儲からない自営業者ではありますが、企業の経営については素人と言うか適正が無い人間だと自認しています。そうではあっても、この不安定な世の中で、企業経営者にもの申したい点があります。それは、企業の進む方向です。企業経営は、船の舵取りに喩えられますが、現状保持を舵角0度とすると、数度から10度程度舵を切る「微調整」もあるでしょう。90度程度舵を切る大転換もあるでしょう。しかし、世界情勢が不安定で人口減少も顕著になりつつあるこの国では、たぶん180度の舵切りこそ必要だと思うのです。180度とは、元来た航路を引き返す事を意味します。元々人口減少社会で売り上げを伸ばしたり、企業規模を拡大すること自体が無理な相談なのです。人口(消費者)が減る局面では、売り上げも減るのが自然な話でしょう。もし、売り上げをじょうそう伸ばそうとすると(客)単価を上げなければならないのですが、デフレ社会ではそれは逆効果で、給料の殆ど上がらない消費者からはソッポを向かれる筈なのです。ならば、値下げをして売り上げを数の増加でカバーしようとすれば、下請けに無理な値下げを押し付けるとか、正規社員を減らしてアルバイトを増やすとかの小手先の対策しか残されていません。
そうではなくて、後戻り戦略を取れば、かつて通ってきた見覚えのある航路(道)を戻る事になりますので、暗礁も回避できるでしょうし、気象(景気)の変化にも比較的容易に対処できる筈なのです。つまり、企業のリスクは全体として大きく低減できる事になるでしょう。向かい風の時は、180度方向転換をすれば、風も追い手に変るのです。前に進む事が善で正しいのではなく、100年先も安定進む社会にする事こそが善であり、結果的に正しい行動だと言えるのです。世の経営者は、右肩上がりの経済成長(インフレ社会)こそが善だと言い張る「20世紀型のリーダー」にはぜひ耳を貸さない様にしましょう。

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