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2020年1月10日 (金)

3701  過疎に勝つには

仕事で、A森県の山間部の村に出かける機会がありました。聞けば現在の人口は2千人余りとのことで、ピーク時のおよそ半分にまで減少中の様です。山間部のため農地も広くはなく、林業と農業、牧畜などが主な産業で、加えて昔からの建設土木業の企業がある程度です。観光資源も少なく、加熱している温泉施設やなぜかかなり古くに作られた「キリストさんのお墓」がある程度でした。例に漏れず少子高齢化が進み、村の中で出会う人の殆どは60代より上に見えました。とはいえ、考えてみればこの様な村や地域は、全国の山間地や離島の何処に行っても目に付くはずなのです。
しかし、良くよく観察してみると、この村には水量が豊富な3本の川が流れていて、山には先祖が植えた豊富な木があり、更に奥に行けば手つかずの天然の自然も残っているのです。山の木(バイオマス)と、豊富な川の水(水力)と、家畜し尿を使ったバイオガスなどを組み合わせた再生可能エネルギー源を利用すれば、たぶんこの村のかなりのエネルギーが自給できそうなことに気が付きます。そうなれば、これまで村民が外部の石油会社(最終的にはアラブのお金持ち)に支払っていたお金が、村内で回り始めることになるでしょう。少なめに見積もって、一戸当たり5万円としても、村内1000戸では5,000千万円程度の金額になるはずです。この金額が村内で回り始めれば、10-20人の新たな雇用も生み出せると試算できます。つまり、お金をできるだけ村から出さない工夫をすれば、その分を新たな雇用に向けることが可能であるという事なのです。
南ドイツにレッテンバッハ村という数千人の村がありますが、そこでは太陽工発電、ナタネ油から作る燃料、木材+バイオマス燃料、林業、農業、牧畜業を組み合わせて、ほぼエネルギーの自給と食料自給を達成したのですが、その仕組みを見学に来る観光客向けには村営のホテル建て、バイメタルの地域通貨まで作って、ほぼ「閉じた小さな経済圏」を作ってしまったのでした。
同様の仕組みが国内で実現できない筈はないでしょう。上記の村では、村長が一念発起し半分ボランティアでこの仕組み作りをけん引してきたのでした。その結果、子育てにも理想的な環境であることもあって、都会から若者も移住し始め、結果として人口も2倍に増えてきたのでした。この村のケースは、最初に述べたA森県の村の状況の真逆であることが分るでしょう。少子高齢化と過疎の悪循環を止めて、そのサイクルを逆転させるには、先ずは地域からお金を外に出さないで、その分を地域内の雇用に向ける工夫こそ必要な第一歩だと、日々確信する今日この頃です。

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