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2020年1月 7日 (火)

3700  装備に頼るな

3699で述べたように、山下りが避けられないとして、見通しが効かないルートを移動するのに、例えばGPSや最新式の装備(文明の利器)を使って新しいルートを探す方向もあるでしょう。一方で、足元をしっかりと確認しながら、一歩一歩元来たルートを引き返すという考え方もあるのでしょう。しかし、考えてみなければならないのは、最新式の装備を駆使したとしても、それが全く未知のルートを指し示してくれる訳ではないという点です。つまり、未知のルートには、実は道などできておらず、自分で岩を避けたり、藪を切り開かなければならないかも知れないのです。いくらGPSを持っていたとしても、そのGPSには道など示されていないのかも知れませんし、そうこうしている間にGPSの電池(化石エネルギー?)が切れてしまうかも知れません。
いま私たちが手にしている文明の利器、電化製品や移動手段や化学製品などは、現在の(山の上の)生活を便利にするために作られ、使われていますが、それらは私たちの本来持っている能力を棄損しこそすれ、補強してくれるものでは決してないでしょう。具体的には、子供たちの平均体力は年々低下し、大人たちはと言えば生活習慣病に怯えながらも、洋風の食べ物を腹いっぱい食べるという「飽食生活」をやめることができないでいます。
そうではなくて、私たちは自身の基本的な生活能力を高めながら、文明の利器に頼り過ぎることなしに、自分自身の足でルートを踏みしめなければならないと思うのです。その時辿るべきルートは、霧に巻かれて見通しの効かない山頂部ではなく、これまで歩いてきたルートを戻り、見通しの良い山の中腹より下を目指すべきであるのは当然でしょう。勿論そこでは、山の上で享受してきた様な、物質的に豊かで、文明の利器に囲まれた生活は期待できないのでしょうが、たとえ物質的にはやや貧しくも少なくともココロ豊かに、ココロ安らかに、のんびり暮らせる生活が待っている筈なのです。私たちの今の便利でモノやエネルギーに溢れた生活が、如何に脆く、それを得る競争のために如何にリスクに囲まれているものであるか、昨今のきな臭い国際情勢を見るまでもなく、思い起こすべきでしょう。

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