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2020年2月22日 (土)

3715  機能を売る

FBにもアップしましたが、在宅の場合は必ず行く散歩で目にする、県内最大の企業であるT社の工場を眺めるたびに思うことがあります。この企業の創業は、母親の実家にも近い海辺の工場でした。物心ついた時には真っ黒いフェライトコアを作る専業メーカーだったと記憶しています。従妹の何人かはこの工場に勤めていて、黒くて硬いフェライト部品を何の役に立つかと不思議に思っていた様な気がします。小学生の頃、機械少年であった投稿者は、よくモノを分解して中の構造を見たがっていました。そのフェライトが実際に使われているのを目にしたのは、フェライトに銅線が巻かれたラジオのアンテナを目にした時だったのです。フェライトは、磁力を良く通す物質だったのです。
この企業はその後、磁気の応用製品である、磁気テープ(カセットテープなど)や家電品に組み込まれる磁気関連部品、そしてパソコンの主要部品であるHDなどで一定のシェアを獲得していきました。コンシューマプロダクトであるカセットテープでは、TVコマーシャルまで打って、かなりのシェアも取ったはずです。その中で、部品屋からの脱却を志向し、家電製品の開発にも着手したのでした。つまり、企業名がメジャーになる中で、それまでのモノ(部品)売り企業から機能売り企業への脱皮を図ろうと画策したと想像できます。
しかし、1990年代に投入した加湿器で火災事故を出すに至って、コンシューマプロダクトのリスクを強く認識せざるを得なかった様なのです。つまり、事故を起こした際の、それも人命に関わる様な事故は、企業イメージを決定的に貶めるからです。加湿器は、冬場だけに使い、暖かくなるとぞんざいに扱われて納戸の奥に放り込まれている筈です。内部には隙間から入った埃が溜まり、再通電される場合には漏電のリスクが高まる製品でもあります。悪いことに、この企業が売る出したのは電気ヒーターでスチームを発生させるタイプだったのです。このタイプは大電流を流しますので、水切れや漏電で火災を引き起こす潜在的なリスクを抱えているのです。
この種の製品は、コンシューマプロダクトの開発に手慣れた家電メーカーの守備範囲だったのですかが、きっと必要な安全装置が不十分だったのでしょう。モノ売り企業が機能売り企業へ脱皮するのはかなり困難を伴うという事の証左でしょうか。続きます。

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