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2020年5月21日 (木)

3763  移動のエネルギー

今回のコロナ禍は、私たちが如何に頻繁に移動する生き物であるかという事を改めて認識させてくれました。それは、自粛によって人の動きが極端に抑制されてしまったことで、期せずして表面化してしまったのです。例えば、この国の人移動の「動脈」であった新幹線が、ガラガラの空席のまま徒に往復する姿を見れば、感覚的にもその異常さが際立つでしょう。東海道新幹線は、夏のピーク時には1日当たりなんと400本以上が運転されているというではありませんか。ターミナル駅では、数分毎に発着を繰り返すというまさに超過密ダイヤです。
根拠の無い推定ですが、これまで新幹線の座席を埋めて来たのは、多分半分ほどがビジネスでの移動で、残りは旅行のための旅行(物見遊山)だったと見ています。しかし今回の自粛によって、前者は8割以上減、後者はほぼゼロになった筈なのです。新幹線1本が東京から大阪に移動するのには凡そ1万kwhの電力が必要です。勿論一度に1000人以上の乗客を運べる鉄道は、航空機や車に比べれば、はるかに省エネの移動手段ではありますが、この電力は我が家の3年分の電力量に相当するのです。それが1日に400本ですから、なんと家一軒分の電力換算では1200年分を一日で消費する計算になります。勿論、新幹線網は全国に広がっていますので、その一桁以上の年数になる訳です。
更に、鉄道には在来線もあり、加えて船や航空機やトラックやバスや車での輸送や移動に費やすエネルギーたるや、気が遠くなるほどの天文学的数字になるでしょう。資源エネ庁のデータによれば、運輸部門のエネルギー消費は、全エネルギー消費量の1/4程度にも上るとか。その8割を輸入される化石燃料(石油、石炭、天然ガス)で賄われているのです。人の移動だけでも、今の半分になれば多分この国の消費エネルギーは10%は減るでしょう。移動半分・エネルギー消費半分とは言っても、例えば1970年代の中盤程度の生活に戻るだけですから、その時代を経験している投稿者世代にとっては容易に想像できる時代でもあります。そんなに不便でも、そんなに不自由でも、ましてや不幸ではなかったと振り返っています。むしろ、将来の夢があって、明るくウキウキした時代でもあったのです。移動やましてやエネルギー消費量と人々の幸福度は比例しないどころか、もしかすると逆比例している可能性もありそうです。

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