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2020年5月11日 (月)

3758  フロー社会

昨今のフリーズしつつある社会の状況を見るにつけ、今の時代は、ストックを軽視したフロー社会になってしまった様な気がします。兎に角、ヒト、モノ、カネが常に動き続けなければ社会活動が成り立たなくなっているのです。今回のコロナショックでは、その流れを強制的に急停止する事が要請された訳で、社会のあらゆるエリアで混乱が生じています。フローを前提にデザインされた社会では、例えば石油です。この国の石油のストックは、多分6か月以上はあるのでしょうが、このストックは決して「ローリングストック」ではなく、いわばイザという場合の貯金という意味合いです。例えば戦争などが理由で、産油国からの輸入がストップしても沈静化するまでは国内の石油供給のストップが避けられる訳です。これは、前の石油ショックから学んだ知恵でもあったのです。
しかし、今回のコロナショックは逆の意味で石油ショックです。つまり、ガソリンが売れなくて出口が詰まってしまった状況なのです。出口が詰まれば、石油流通も滞り、結果的には製油所も動かせず、そこに原油を運ぶタンカーも止まってしまい、結果としては石油の採掘場もバルブを絞らざるを得ないのです。つまり、石油の流れ(フロー)が滞ってしまい、システムの機能不全が生じているのです。どこかの石油市場では、価格がマイナスを付けたとか。つまり、産油国なり企業は、お金を払うので原油を引き取ってくれと懇願している状況なのです。
同様の事は、基本的な食料需給を除いては、全てのヒト、モノ、カネに関わるセクターで生じている事でしょう。少し事情が異なるのは、情報産業でしょうか。ヒト、モノ、カネがあまり動かない状況で、情報は逆に活発にやり取りされる筈です。何故なら、今の状況では人々は家に籠もりながら、しかし情報には餓えているからです。しかし、ヒト、モノ、カネのフローが伴わない情報だけの移動や消費は空しいもので、やがて人々は情報だけの流れに飽いてくることでしょう。情報だけでは目や耳という二感は満足するかも知れませんが、味覚や触覚や嗅覚などの三感やそれが関わる欲求は充足されないからです。実際の匂いも感じられるパソコンや画像の中の物体に触ったり味わったりする事が出来る機械などは、多分今後も出来ないでしょう。つまり、二感と三感との間のせめぎあいにより、人々は強いストレスを感ずる筈なのです。
フローの話から少しズレましたが、いずれにしても今の時代、社会の仕組みは全て、ヒト、モノ、カネのフローを前提に設計されているため、今回のコロナショックはそれを一時的に止めてみる「壮大な社会実験」をしていると考えてみる必要がありそうなのです。

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