« 3767  社会のゆとり | トップページ | 3769  集団免疫力 »

2020年6月 1日 (月)

3768  レバレージ(格差拡大)

レバレージとは、一般的にはテコを意味しますが、「テコ比」を指す工学用語でもあります。さて、社会を根底を揺さぶる様な大きな自然災害や今回の様に疫病災害が起こると、さながら落ち着いていた地盤が、地震で揺られて液状化や地盤沈下や断層が生ずる様に、社会の種々の問題が露わになる場合が多い様です。平常時には殆ど問題視されてこなかった貧困問題や高齢者問題、あるいは正規・非正規問題、男女格差問題、学歴格差問題、貧困の世代間継承問題などなどが、災害によって表面化してくるのです。悪い事には、多くの災害は、その問題を暴露するだけにとどまらず、それを拡大して見せたりもするのです。
例えば、今回のコロナ禍では、高齢者の厳しく牙を剥きましたし、アルバイトで辛うじて暮らしを維持していた学生や非正規労働者の生計を1か月内に破壊してしまいました。つまりは、若者と高齢者の「免疫力の差」や毎月の収入と支出に差が無く、アパートに住みながら貯蓄が殆ど無い単身や一人親所帯の経済的弱者ぶりが露呈してしまったのです。北欧や、Dイツの様に社会としてのセーフティネットがしっかりしている国々では、実は上記の様な問題点はあまり拡大しないのですが、税金が安い分社会保障レベルも低いこの国では、イザという時には赤字国債で場当たり的な災害対策を打つしかないのです。
これは、国としての日頃のリスク想定を真面目に行っていないことに主因があるのでしょう。この国の予算は、自然災害や疫病などが殆ど起こらないことを前提に、単年度予算として組まれています。災害対応は、ささやかな予備費として考えられてはいるのでしょうが、勿論実際の大災害では焼け石に数滴の水程度の意味しかないでしょう。平時のリスク想定は、単なる想定ではなく、実際の状況を想定しなければ意味がないでしょうし、それに備えた平時の蓄積こそ重要なのです。MERSで痛い目にあわされたK国では、ウィルス禍に対する備えがあった事もあり、比較的平穏にコロナ禍への対応が出来ていたと思います。しかし、この国のあのクルーズ船を抱えての右往左往ぶりは、やはりリスク対応が殆ど出来ていなかった証左でしょう。
事が起こってからの対応では、アクションが遅れる分事態の悪化を止めるのは困難でしょう。リスク想定とその対策とは、いわゆる「転ばぬ先の杖」を準備しておくことに他ならないのです。今回のコロナ禍で、世界やこの国の社会がどの様にヨロケタか、しっかり記録し次なる災害にしっかり備える必要があるのでしょう。

|

« 3767  社会のゆとり | トップページ | 3769  集団免疫力 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3767  社会のゆとり | トップページ | 3769  集団免疫力 »