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2020年7月10日 (金)

3785 水害考4

先に述べた様に、ある時期以降水害の原因は、大型台風からゲリラ豪雨、または線状降水帯によるものに変わって来たのでした。最近の水害を思い返しても、昨年は台風による水害がありましたが、ここ十年で考えるとほぼ8割方が線状降水帯に起因するものではないかと見ています。その多くが、国交省や自治体の想定を超える降水量で、河川の容量を超える水量によって、堤防が越水したり、決壊したりして広い範囲が水没するパターンに陥っています。
それに加えて、元々川底が高い地域では、河川の水量が増え、水面が高くなると地域に降った、降雨を河川側への排水が間に合わなくなって、結果的に河川からの越流が無いにも関わらず冠水してしまう、いわゆる内水氾濫で住居地域が水没してしまうパターンも目立ちます。最悪のパターンは、ポンプ場が比較的低地に設置されているため、ポンプ場そのものが水没してしまって、全く機能しないケースも散見されます。このパターンは、実は福島の原発事故でも経験済みのものだったのです。つまり、地下室に設置された原子炉の冷却ポンプが、水没によって全く機能しなかったあの事故です。少なくとも、排水ポンプの原動機(モーターやエンジン)や配電盤は、水害時の想定水面より十分高い場所に設置されていなくてならないでしょう。
この項のまとめとしては、私たちは既に「想定を超える降水量」を何度も経験してしまっているのですから、もはや堤防やましてやダムで水害が防止できるなとと言う「幻想」を捨て去らなければならない時代に入ったと知るべきでしょう。その上で、どうすれば人の命を守れるのか、真剣に考えなければならないのです。山間の集落は、簡単に孤立してしまうし、低地の住宅や川の合流地点は短時間で冠水してしまうとの前提で、今後の街づくりや自治体運営を考えて行かなくてはならないでしょう。何しろ、今後ともかつて経験したことが無いほどの降雨が、何度もしかもこの国の何処でも起こり得る時代になったからです。不幸にして、最近冠水した地域は、残念ながら今後も水害を受ける可能性が大ですし、そうでない地域も水害は、同じ程度の確率で起こると考えなければならない筈なのです。

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