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2020年7月22日 (水)

3795 大河の一滴2

水は、雲・雨・川・海・雲と循環し、生きとし生きるものの全てを潤しますが、一方でその偏在は酷い災害も引き起こします。殆ど水循環の恩恵が受けられない地域では、干ばつ被害が起こるでしょうし、逆に降雨の程度が過ぎると、水害が起こってしまいます。最近は、そのメカニズムには諸説ありますが、統計上は数十年に一度と言われた災害が、毎年の様に起こっている事はやはり注目するしかありません。気候や気象の変動を時系列に並べてカーブで表すなら、多分山谷のある曲線になるのでしょうが、例えば大気中の二酸化炭素濃度の様に、季節変動の細かいカーブが全体としてみれば急激な右肩上がりのカーブを描いている様な例は、やはり危険な兆候と見るべきでしょう。つまり現象にブレーキ作用が効いていない様に見えるのです。
ブレーキが効かない現象を、「暴走」とか「発散」などと呼びますが、二酸化炭素濃度とそれを引き金とすると思われる温暖化傾向は、もはや気象の暴走と呼ぶしかないでしょう。さて、今問題となっている各地の水害です。数十年に一度と言われる豪雨が、地域を限定せずに、突然発生する訳ですから、それまでの経験に基づく治水対策などは、簡単に打ち破られることになります。堤防で言えば、決壊や越水が頻繁に起こってしまう訳です。道路や橋もいとも簡単に流出し、わずかな平地に身を寄せる様に広がっている住宅地も2階が浸水するほどの水害に見舞われる訳です。
記憶にある限り、数十年前までは、1時間当たりの降雨が100㎜を超えるような事は、大型の雨台風でも来ない限りあり得ない事態でした。しかし、今はそれが日常茶飯事になりつあります。台風による豪雨は、続いても数時間程度ですが、近年の豪雨災害は、いわゆる線状降水帯により豪雨状態が半日~1日と長引く傾向にある様なのです。降雨に関する限り、私たちは大河の一滴などと悠長に構えては居られない時代になったというしかありません。今や、豪雨は頻発し、川は氾濫し、堤防は決壊、あるいは容易に越水すると言う前提に立って、地域を設計し直し、住む場所を考え直さなければならない時代になってしまったのです。便利で住みやすいと言う理由だけで低い土地に住み、「想定外の」水害に見舞われて途方に暮れ、水害ごみや床下の泥出しを繰り返す事にピリオドを打たなければならないでしょう。

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