« 3819 1+3R? | トップページ | 3821 空飛ぶ車2 »

2020年8月29日 (土)

3820 空飛ぶ車???

ニュースで空飛ぶ車の映像が流れました。見れば、ドローンに人が跨った様なものでした。このブログは批判を目的にはしていませんが、発想の貧弱さにかなり落胆してしまいました。例えば、ヘリコプターは揚力は専ら上部に取り付けられたローターにより発生し、重心はかなり下にありますので、さながら機体がローターによって吊り下げられている様な形態ですが、ドローンに跨る乗り物では、揚力の中心に比べて重心がかなり上になるので、飛行時に風などの外乱が入ると、姿勢が不安定になるのです。ヘリの場合だと、揺れても振り子の様になるだけで、ひっくり返ってしまう事は無いでしょう。無人のドローンで荷物を運ぶ際には、荷物は機体の下に吊り下げるのが原則になっている筈です。
一方で、エンジンが停止した時の非常時を考えても、ドローンは不安定です。つまり、4ローターの場合、ローターの1個が停止してしまうと、残りの3個の揚力で機体を支えることになり、揚力中心が突然移動し、重心との間にズレが生じ、つまりモーメントによって機体が傾いて、結果としては墜落につながるのです。他方でヘリの場合には、エンジンが停止した際には、ベテランのパイロットであれば、急降下の際の気流を利用してローターをフリーローテーションさせ、地上に近づくと、ピッチを変えて揚力を発生させて、地上との激突を回避できるでしょう。
空飛ぶ車が、地上1m以上高度の走行を認めないと言う法律でもできればまだしも、例えば100mの高度で機体にトラブルが発生した場合、間違いなく乗っている人たちは、パラシュートも開けないで高度でもあり、間違いなく命に関わる事態に陥るでしょう。もし、1mと言う高度規制を設けるなら、殆どそれはこれまでに開発されたホバークラフトと何ら変わらない乗り物になってしまうのです。
つまり、全く新しい発想で、本質的に安全な乗り物として開発しない限り、空飛ぶ車など夢のまた夢になってしまうシロモノなのです。このプロジェクトを大手車メーカーが後押ししている様ですが、優秀な人材とお金の無駄使いにならない様に、基本設計の段階での熟考が必要でしょう。空飛ぶ車っぽいモノを、先ずは(マスコミ向けに)形にする事だけを考えた末の思考停止は厳に慎むべきでしょう。

|

« 3819 1+3R? | トップページ | 3821 空飛ぶ車2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3819 1+3R? | トップページ | 3821 空飛ぶ車2 »