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2020年8月17日 (月)

3811 モーリシャス座礁事故

モーリシャスの座礁事故の第一報が入った時、タンカーの事故で積み荷の原油が漏れ出したのだと想像しました。しかしそれは正しくなくて、とうやら鉱石を運ぶオアキャリアが空荷の状態で座礁し、燃料油のタンクが割れてC重油が漏れ出した事故だと知りました。海上油井やタンカーからの「原油」漏洩事故はこれまでも度々報告されてはいますが、では今回のC重油の漏洩事故とは何が違うのでしょう。
それは原油とC重油の性状の違いが大きく関連します。一般に重油とは油井から取り出した状態では、不純物も多くドロドロしたものの様に想像しますが、実際は常温で不通に流動するものが多く、想像よりサラサラしているのです。理由は、原油の中にはガソリンやナフサや灯油分の様な軽質成分も多いため、比較的粘度が低いのです。一方、C重油はそれらの軽質分を抜き出した後に残る「粘性が高く重い石油」で、硫黄分や灰分などの有害成分も多く含む、より「汚い石油」だと言えるのです。つまり、海面に浮上して漂う油膜の他に、いわゆる「原油ボール」の様な、厄介な半固形分の浮遊の他に海中への沈降にも対処する必要があるため、単なるオイルフェンスだけでは拡散を防げないのです。
また、海運をそれなりに知る者の常識として、積み荷が少ない時の操船は、船体が浮き上がっている部分が大きいため風に流されやすく、より慎重に行う事が求めれますが、今回はそれを抜かって島に近い航路を進んでいたと想像できます。南の島の周囲ではサンゴ礁が発達しているため、浅瀬が多く座礁事故が起こり易い海域でもある訳です。
更に船の構造上「から言えば、タンカーでは座礁や衝突事故での漏油事故を軽減するため、いわゆる二重底の船体構造とすることが義務付けられていますが、燃料タンクについては、貯蔵量も少ないこともあって、船体に直接作り付けられており、船体に亀裂が入ると今回の事故の様に直ちに漏油事故につながるのです。漏油事故は、重大な「環境事故」でもあるため、一海運会社が起こした問題とせず、国が強力にバックアップして事後処理を急ぐべきでしょう。評判の悪い神社の参拝などに出かけてないで、環境大臣の力量こそ試される事案だと認識すべきでしょう。

 

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