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2020年8月25日 (火)

3817 国体論を読んで

S井聡の「国体論」を読み終えました。今の時代「国体」などと時代がたったタイトルに興味を惹かれ手に取った文庫本でありましたが、厚みもありなかなか読み応えがありました。この種の評論を読む際には、右寄りなのかあるいは左から見ているのが問題で、それを割り引いて読む必要があるのですが、筆者は最初に極右も極左もバッサリと切り捨てていますので、一応中道的立場で書いているとは感じました。それよりも、国体と言う視点で明治維新から、現在(2018年時点)までの、近現代史を総ざらえしていて、改めて近現代史を学び直した感があり、戦後の時代を肌間隔で知る身である投稿者としても良い振り返りになりました。
著者の視点としては、戦後75年経っても、アメリカに抱かれた日本と言う戦後構図から全く抜け出せていないと言う点で、それは取りも直さず戦後アメリカが天皇の戦争責任を問わず、象徴天皇としてまつり上げることによって、日本人の心に(都市空爆で飽き足らず原爆を2発も落とした非道なB国に対する恨みに)蓋をする方便としたという視点でしょうか。B国はそれによって、この国の「国体」を維持させて、混乱の無い占領を実現しようとしていたと言うのです。100%著者の立場には賛成できないまでも、客観的に歴史を振り返れば、それはかなりの部分当たっていると認めざるを得ないでしょう。それが戦後レジームの象徴の一つでもあった訳で、戦後75年を経ても、戦争被害を被った東アジアの国々が、戦争中のこの国の非道を避難し続けているのも、まさしくこの国が戦後レジームを引きずり続けている事の証左でしょう。
この国の、政権歴史上最長の期間、椅子に座り続けているリーダーは、「戦後レジームからの脱極」を旗印として掲げていましたが、結果として彼の行いを振り返るに、まさしくそれは「戦後レジームの堅持」以外の何者でもなかったのでした。北方領土問題でも、慰安婦や強制労働や北の拉致問題でも、何ら進展が無いのは、戦後生まれでありながら、家柄も含めて彼こそがまさに戦後レジームそのものを体現していたのであり、それから脱却するためには、自分自身を政治の世界から消し去らねばならないと言う自己矛盾の運命を背負っているとも言えるのでしょう。考えてみれば、かわいそうな運命を背負っているのかも知れません。いずれにしても、天皇家を尊敬しているポーズによって、この国の国民に嫌われることを回避して、今なお親米感情をプラス側に保っているB国の戦略を見透かした上で、ではこの国は今後世界の中でどの様な立ち位置で動くべきかなどとは、全く何も考えていない様にさえ見える与野党の政治屋を見るたび、暗澹たる思いに苛まれます。

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