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2020年9月22日 (火)

3836 正しいニーズ

巷間お客様は神様である、などと言われることもありますが、では、お客が持つニーズは全て肯定されるべきかと問われれば、勿論そうではないと言うしかないでしょう。それは当然です。例えば、極端にお金持ちで、しかも我儘な客が持っている、邪なニーズなどには耳を傾ける必要もないでしょう。
では、何が正しいニーズで、何が邪なニーズであるかの基準ですが、公害や資源の枯渇やいわゆる環境問題がそれほど浮上していなかった時代には、確かにお客様は神様と呼んでも差し支えなかったでしょう。しかし、これは今の時代には適用できないことは自明です。何しろ、今以上の資源の無秩序な採掘による浪費(枯渇)やその結果としての環境悪化は同の様な道筋で考えても、許されることではないのは明らかだからです。取り分け、温暖化効果ガスの排出は、殆ど限界に近付いていると見る専門家も多いのです。
かつては、普通のサラリーマンが、普通に家電や車を買い揃えるのは消費を拡大し、GDPの拡大に有益で、大いに奨励された時代もありましたが、環境の時代には相応しい行動とは言えないでしょう。この国では、現状で既に8千万台以上の車が登録されており、もしそれらを全てそれらを動かしたと仮定すれば、車は道路に溢れ、たった1㎞でさえも走れない超渋滞に陥るでしょう。それは、この狭い国土の国道を全て車の縦列で塞いでしまうほどの数量なのです。大型の中古車展示場には、数百台の車が並んでいることも珍しくはないでしょう。この国の車台数は、殆ど飽和状態だと言うしかありません。もはや、車に対するニーズは、環境の顔色を覗いつつ、遠慮しながら表明すべきものになってしまったのです。
結局。何度もこのブログで繰り返している様に、正しい消費行動(=正しいニーズ)とは、環境の持続可能性に配慮した、必要最小限の「遠慮がちでつつましい」ものであるべきだという事になります。具体的に言えば、メーカーは受注生産を基本に据えて、必要な数量を、必要なタイミングで生産し、一方で消費者はといえば、注文してから商品を手にするまでの一定の日数の間、「待つ楽しみ」を知る必要があるのでしょう。その期間はと言えば、普通の商品であれば数週間、車などの耐久消費財であれば数か月と言った期間を指します。

 

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