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2020年10月24日 (土)

3845 実体無き社会

日々メディアやネットで見聞きする情報の洪水に触れるたびに、果たしてそれらに実体が伴っているのかどうか疑問が湧いてきます。映像になって流れていたとしても、フェイク画像かも知れませんし、実際の映像だったとしてもある意図をもって編集されているのかも知れません。そうでないにしても、カメラのフレームから外れている場面は、そもそも無視されてしまっている筈です。
そういった画像情報と実体との乖離も確かに気にはなりますが、今の社会は、全ての価値を「お金」に換算してから評価する風潮になってしまった点はもっと気になります。例えば、企業の持つ社会的価値でさえ、株価や時価総額と言ったお金と言う指標で評価するしか方法が準備されていないのです。その企業が、長年あまり目立たないながら社会貢献を続けていたとしても、それがお金の価値として評価されていない限り、社会から適正に評価されることも少ないのです。企業の本当の価値は、企業が存続できる(過剰ではない)適正な利益を出し続けながら、その事業が社会から必要とされるものであり、利益の一部を社会に還元し続けているか否かであって、決して事業には無関係の投資などで儲けて、見かけ上の利益を上げているかどうかではないのです。見かけ上の利益だけを追求した果てに、悪しき結果が露呈したのが、あのバブル期とその後の崩壊でしたし、リーマンショックだったのでした。
また、例えばコロナ騒ぎですっかり火が消えた観光需要ですが、その指標としては、何千万人が日本に押し寄せて、彼らがどれくらいお金を落としたか程度の指標しかメディアの表には出てきませんでした。彼らが、この国のどの様な文化や景色や食に触れて感動したのかを示す適当な指標は見つからないのです。まるで形のない、インバウンド客と言う亡霊たちがゾロゾロと通り過ぎた後に残されたのは、使われたお金の記録とごみの山くらいでしょう。毎年毎年右肩上がりで増え続けた観光客の更にこの先を当て込んだ航空業界や輸送業界や宿泊業は、航空機や観光バスや宿泊施設に矢鱈と投資を繰り返し、そうなるであろうと予測された実体の無い数字に帳尻を合わせようと藻掻き続けていたのです。
ネットで日々つぶやかれる大国のリーダーのコメントに踊らされ、ホンの一部しか映されないTVやネット画像に反応し、今や紙幣と言う形さえ無くなったお金と言うコンピュータ上の数字の増減に一喜一憂し、直接会ったこともない人々のネット上の書き込みに脅かされる、バーチャル生活にはソロソロ終止符を打つべき時だと思うのです。実際のモノに触れ、人に直接会って共感し、地に足を付けて実体のある景色の中を歩き回り、五感を使ってそれを感じる事によってのみ、ヒトは生きている喜びを実感できる筈なのです。

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