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2020年12月 8日 (火)

3861 夢の押付け

民間の「宇宙タクシー」を使って、日本人として3度目にISSに乗り込んだ中年の星の話題や、何億キロも旅をして小惑星から星屑を持ち帰ったHヤブサの話題がマスコミを賑わしています。それをテレビで見た子供たちは、宇宙に憧れを持ち、少なからずの子供たちは、将来は宇宙飛行士になりたい、などと言った夢を口にしたりもするのでしょう。しかし、これは無責任な夢の押し付けになっている様な気がしてならないのです。そもそも、ISSについて言えば、その寿命は間もなく尽きる筈なのです。実は、初期にはISSは2020年に退役させることが決まっていたのですが、今はその寿命を延長して使用している段階なのです。ISSと言う高々400㎞上空を周回している飛行体が実現できる実験環境としては、せいぜい無重力くらいしかないのです。無重力化でいくら完璧な合金を作ったところで、いくら優秀な薬品を合成できたところで、それが重力下の地上で再現できる訳もありません。つまりは、科学者や化学者の学問的な満足感で終わってしまうのです。それに、それこそ「天文学的」な予算を注ぎ込んで、しかも無理に寿命を延長しながらISSを運用し、その結果子供たちに自分たちも将来ISSに乗り組んでみたいなどと、実現が不可能な夢を見させるのは、まさに無責任の極みでしょう。今のISSの寿命が本当に切れたとして、では世界が協調してもう一度第二のISSを打ち上げるかと問われれば、自国第一主義が蔓延してしまった今の世界情勢では全く考えられないでしょう。つまりISSは間もなく「巨大な宇宙ゴミ」になる運命なのです。
Hヤブサにしても同様です。もしHヤブサの持ち帰った1グラムほどの砂から、科学者たちが期待する有機物や水が検出されたとして、地球の起源の知見が少し増えるだけでしょう。地球への理解が前に進んだとしても、決してそれで目の前にある地球の環境問題や貧困問題が解決できる訳ではないのです。もし、NASAやJAXAの優秀な科学者や技術者や予算のたとえ半分でも、環境問題に振り向けてくれるなら、問題解決(軽減)へのスピードは、格段に上がる筈なのです。
勿論、ISSやHヤブサのプロジェクトには衆目を集めるイベント(祭り)としての意味はあるとは思います。しかし、もはや「祭りは終わった」と考えざるを得ない時期だと思い至るべきでしょう。先ずは、身に降りかかる火の粉を払い、あるいは足元のぬかるみ(問題)の解決しなければならない時代だと思うのです。見果てぬ「無責任な夢の押し付けは」もう打ち止めにしましょう、ましてや、将来ある子供たちに地上の問題から目を逸らさせ、宇宙などに向けさせる無責任は止めにしなければならないと強く思うのです。

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