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2021年1月30日 (土)

3884 車の電動化(PVEVとは?)

欧州のトレンドは既に固まっていますが、石油大国であるB国の大手自動車メーカーも、脱ガソリン車を宣言した様です。このままの流れで行くと、他の多くの車メーカーも追随することでしょう。とは言いながら、では車で消費していたのと同等のエネルギー源(電力)をどの様に生み出すかについては、明確な言及が無いのも事実でしょう。このままで行くと、車用の電力は化石燃料を使った火力発電所か、原発で起こす事になるのかも知れません。つまり、車の排気管からはCO2は出なくなるのでしょうが、代わって火力発電所の煙突からは、今まで以上にCO2が排出される、変な事態に陥りそうなのです。CO2の排出場所が移るだけになる訳です。
そうではなくて、電動車(EV)の消費するエネルギーは100%再エネ(Re100)で賄わなければダメで、それなくしてはEV化の意味は失われてしまうのです。投稿者の提案は、全てのEVには太陽光パネルを搭載すべきと言うもので、駐車中にエネルギーを蓄積し、それでエネルギーの多くを賄うと言うコンセプトの車を開発するのです。勿論、大きなバッテリーを積んで、乗り心地の良いインテリアで、高速走行できるような、PVEV(太陽光発電型EV)を作る事には無理があるでしょう。太陽光発電だけで動かすためには、原動機(モーター)の馬力はかなり小さく抑える必要があるからです。そのためには、車重はかなり軽く仕上げる必要があるでしょう。言うなれば、風防付きの4輪の自転車と言った質感です。当然、バッテリーの容量も同様に小さく抑えるのです。しかし、それでは航続距離も短く設定せざるを得ないでしょうし、そもそも太陽が照らない日には、殆ど動かせなくなるでしょう。
もし、曇りの日や雨の日が続いて、このPVEVのバッテリーが上がって動かなくなっても、どうにか移動させるためには、運転者の人力(ペダルを漕ぐ力など)も利用せざるを得ないでしょう。その代わり、コンビニや道路の少しの空きスペースを利用して、バッテリーステーションを準備しておくべきなのです。つまり、規格化されたPVEVのバッテリーをバッテリーステーションで太陽光や風力を利用して充電しておき、バッテリーが切れそうになった場合には、このステーションで直接交換する訳です。そうれば、今のEVの様に長い時間駐車して充電する必要もなくなり、一つのバッテリーで50㎞ほども移動する事ができれば、十分実用的だと言えます。

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2021年1月29日 (金)

3883 海水温と爆弾低気圧

海水温に関しては、海保のHPで詳細に確認できます。現在の水温は勿論、平年との偏差などです。https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/KAIYO/qboc/temp_color/temp_color.html そのURLは上記です。それによると、現在の日本海中央部の水温は、平年値に比べるとなんと3℃以上も高いと言うのです。たった3℃ではありません。海水が持つエネルギーの増加分は、3℃x膨大な海水量ですから、巨大な「温水塊」が居座っていると言えるのです。これは以前にも指摘した事ですが、地上(海面)と上空1500mの寒気との温度差が40℃以上に広がると、強い上昇気流による激しい気象現象が発生するのです。局所的な場合で典型的な現象は、ヒョウや竜巻でしょう。しかし、今朝(1月28日)から始まった様な、爆弾低気圧が引き起こす気象現象は、より広い地域を冬の嵐に巻き込むことになります。
つまり、日本海に入った普通の低気圧が、シベリアから降りて来た寒気と、高い温度の海水によって急速に発達し、いわゆる「爆弾低気圧」に成長するのです。これは間違いなく地球の温暖化からの悪影響と考えるしかないでしょう。高い海水温は、また海面からより多くの水蒸気を発生させ、結果としては日本海側に広く大雪をもたらします。量が多く、しかも湿って重い雪質は、毎回雪害やトラックを立ち往生させ、ひどい交通障害を引き起こしてしまうのです。勿論、単に海水温が高いだけで、毎年大雪に見舞われる訳ではありません。あくまで、シベリアから降りてくる寒気との併せワザになりますので、その年毎のジェット気流の蛇行状況などにより、暖冬傾向と今年の様に多雪傾向とが入れ替わるのです。その意味で、今年は、気象史上は(○○年)豪雪と記録される様な年になるのでしょう。
難しいのは、年ごとのジェット気流の状況の予測です。と言うのも、北極圏の温暖化は最早行き着く所まで行った感がありますが、北極気団の周りを縛っているハチマキの様なジェット気流の動向については、例えば赤道や中緯度地域の気象振動、例えばぺルー沖のエルニーニョ(ラニーニョ)現象やインド洋におけるダイポールモード現象などに影響を受ける事が分かっているからですが、因果関係が複雑すぎて、肝心のそれらの気象振動の原因分析や予測が十分には進んでいない上に、それらとジェット気流の蛇行の因果関係が、必ずしも十分に示されてはいないのです。それも、今後データの蓄積とスーパーコンピュータの活躍によって、徐々に解明されていくのでしょう。石炭や石油やLNGの爆食いによって温暖化を引き起こしてしまった人類ですが、今の便利な生活を求める限り、残念ながらそれに有効なブレーキを掛ける事はほぼ絶望的だと言うしかない状況でもあります。

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2021年1月28日 (木)

3882 乗用ドローン

散歩コースの堤防横の休耕田で、最近ドローンの操縦訓練を行っているのを見かけます。かなり大型のもので、ギリギリ軽ワゴンに積めるサイズの様です。ぶら下げられる荷重としては、見た目で5-6㎏と推定しました。一方で、ドローンをスケールアップして、人を乗せるサイズのものも作られ始めています。つまり、人を乗せて1時間以内くらいの時間で行ける範囲で、無人タクシーとしてドローンを利用しようとの目論見です。同型のドローンのサイズを縦横2倍にすれば、吊り下げ荷重はざっと4倍になりますから、ローターの数を増やして現在の大型乗用車程度のサイズにすれば、たぶん乗用ドローンの実用化も近いと思われます。実際、ロシアの武器メーカーも実用サイズの乗用ドローンを試作している様です。
しかしです、もしこのドローンを地上の建物や構造物などの邪魔者を飛び越えるほどの高度で運用しようと考えると、安全性を確保するためにとんでもない頑丈なものにする必要があり、実用化は殆ど無理と言うしかなさそうです。つまり、それは最早ドローンなどではなく、マルチロータのヘリコプターになってしまうからです。型式証明を取ったヘリでさえ、年に何度かは墜落事故を引き起こしています。それは、構造的な整備不良やパイロットの操作ミス、あるいは天候の急変によって起こるので、一定の割合(確率)では起こり得るものでもあります。しかし、車の事故と異なるのは、ドローン事故ではたとえ数メートルからの墜落でも、全身がエアバッグにでも包まれていない限り、乗客はただでは済まない大事故になる筈です。
地上から浮き上がり、空中を飛ぶためには同時に大きなリスクも覚悟しなければならないのです。車はイザと言う場合には止まれば良いのですが、ドローンや飛行機の場合は故障=墜落しかないのです。一方で、実績のある乗り物として、ホバークラフトと言う乗り物もあります。この場合は、浮上高さが数センチと言うものが殆どですので、墜落のリスクはありませんが、高速で移動中は地上と接していないため、急ブレーキが殆ど効かないので、たぶん専用道路を準備する必要があるのが欠点でしょうか。それと、根本的な欠点として、車以上にはスピードを出せないので、未だに実用化がされていないのでしょう。いずれにしても、人々がドローンなどに乗って、気軽に空を飛ぶ時代など(危な過ぎて)遠い将来にも絶対に来ないと断言しておきましょう。

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2021年1月27日 (水)

3881 国産ジェット機の末路

ネットニュースによると、Rシアでも型式証明を取ったHンダジェットの売り上げが好調とのこと。一方で、昨年塩漬けされたSペースジェットは最早離陸は出来そうもありません。では、前者が勝者で、後者が敗者かと問われれば、投稿者としては、「両方共敗者である」と言うしかありません。何故なら、ジェット旅客機やビジネスジェットなどは「20世紀の乗り物」だ、と言うしかないからです。多くの国や地域が「コロナ鎖国」状態の現在は勿論、今後需要が回復したと仮定しても、コロナ前の狂乱的な旅行熱が戻るとはとても思えません。安い燃料代に背中を押された、安い運賃が旅行客を刺激し、それを見た旅行にあまり熱心ではなかった「潜在旅行客」を引っ張り出して、あの旅行熱を生み出したのでした。つまり、世界中の「猫も杓子」も熱にうなされる様に旅行に出かけたのでした。
ジェット旅客機はそのための足=移動手段ではありましたが、残念ながら戦後2機目の国産旅客機は、国内線専用の乗り物に過ぎません。日本国内では、新幹線が競争相手となる筈でした。一方で、1機5億円以上の売値とされている国産のビジネスジェットはどうでしょう。勿論、これは庶民向けの乗り物ではありません。大企業や超お金持ち専用の乗り物でしかないのです。Rシアにも超お金持ちは居る様で、それなりに売れては行くのでしょう。しかし、今以上の富の偏在は、今後逆風を受けることも間違いないでしょう。SDGsで言う、「誰も取り残さないで」持続可能な社会へ変わるためには、極端な富の偏在は「悪」でしかないからです。
ところで、先日のEテレで、Mルクスの唱えた資本論の解説をしていましたが、彼の主張の真意は、少数のリーダーに権力を集中させた、間違った共産主義や偏向した社会主義などなどではなく、民衆が自分ができる範囲で、コミュニティに寄与し、誰も取り残さない小さな社会を多く作る事だった様なのです。話が反れましたが、石油燃料しか使えない20世紀の乗り物、ましてや超金持ちしか乗れない乗り物などに明るい未来は展望できないでしょう。より少ないエネルギー消費で移動できる手段、しかもそのエネルギー源としては再生可能型エネルギーのみで動かせる様な乗り物こそ、将来の社会が待望する理想のVihicleなのです。

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2021年1月25日 (月)

3880 渡り鳥とパンデミック

自宅の上空は、渡り鳥(取り分けハクチョウ)たちの往来のコースになっている様です。多分彼らは、地上の目立った地形、山や川や湖などを目印にしてそれらを繋いだ彼らなりのコースを決めているのでしょう。鳥海山に源を発する、自宅近くの川は、南北に流れているので、独立峰である鳥海山と共に渡りコースの目印に使われているのだと想像しています。渡りのコースには、湖や池や田んぼなどの休憩場所も必要不可欠でしょう。獣に襲われない様に、人里近くの開けた場所が理想なのでしょう。彼らが、晩秋と早春に田んぼや川で憩う姿には癒されます。
しかし、渡り鳥は必ずしも平和の使いではないことも事実でしょう。と言うのも、彼らは季節性の疾病(インフルエンザなど)の原因ウィルスの運び屋でもあるからです。いわゆる、鶏などの家禽あるいは豚などの家畜やイノシシや他の野生動物に感染し、結果としてその変異株がヒトにも感染する事態に至れば、結果としては今回のパンデミックに様に、悲惨な事態が出現するのです。その意味で、渡り鳥の夏の営巣地である、北極圏やシベリアは。これらの感染症の故郷でもある訳です。ウィルスは完全な生物ではないので、乾燥や凍結には強く、条件が揃う季節になると、渡り鳥に感染し、宿主を殺さない程度に増殖するのです。そして、営巣地が雪や氷に閉ざされる季節になると、宿主(渡り鳥たち)は南に移動するのです。ウィルスは、彼らの落とすフンから、野生動物や家禽、家畜などに感染し、やがてその変異株が生まれその感染はヒトにも広がるのです。
もっと怖い話があります。それは、シベリアの永久凍土の中に眠っていた、太古のウィルスが温暖化で凍土の中から現代に蘇る事態です。すでに、毒性の強いウィルスも見つかっている様ですが、例えば非常に致死率の高い邪悪なウィルスが、ゾロゾロとはい出てくる可能性も否定できません。何しろ、人類が地球上に出る前の病原体やウィルスに対してですから、人類は全く免疫力が無い筈なのです。家の前の田んぼでつかの間の休憩を取る100羽ほどのコハクチョウの群れを眺めながら、コロナ後の多分10年後くらいには来るであろう次なるパンデミックを想像してしまいました。

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2021年1月23日 (土)

3879 工学と環境学

全ての学問は、最終的には何か(あるいは誰か)のためになる事を目的としている筈です。勿論、学者のための学問や、学問のための学問の様なものもあるのでしょうが、ここではそれは除外しておきます。さて、ここでは投稿者も長らく関わって来た「工学」と、それを卒業してから学んだ「環境学」を取り上げ、比較してみようと思います。
工学は、基本的には社会に役立つ技術を極める学問だと定義できるでしょう。但し、ここで注意が必要なのは、その社会とは「人間社会」に限定されており、決して動植物社会?や自然環境のためではないと言う点です。従って、ある時期まではいわゆる公害や自然環境破壊につながる技術も許容され、経済や社会の効率化のみが追及されてきたのでした。儲かれば良い、早くて安くて快適でさえあれば良い、人間さえ豊かになれば良い、楽しければ良い、楽であれば良いと言った論理がまかり通っていた訳です。移動手段で言えば、歩きや馬(車)から、鉄道や車や飛行機を使った移動へと「工学的」には進歩を重ねてきたのでした。
しかし、環境学の立場は全く異なります。環境学とは、極端に言えば環境保全を唯一の目的とした学問であるとも言えます。従って、その環境が変わってしまう様な負荷(環境負荷)は基本的には「悪」と言う事になります。従って、温暖化と言う環境変化を引き起こすCO2の発生は、工学では是とされても、環境学では否となる訳です。同様に、オゾン層を破壊する様な物質の使用も、在来種の動植物の数や量を大きく変えてしまう様な、人工的な環境改変も同様に否であると断ずるしかありません。投稿者は、工学に100%依拠する技術屋として仕事をし、それで飯を食い続ける事に疑問を感じ(環境に対して恥じて)、遅まきながら50歳を過ぎてから環境学を学び環境屋になる事を決意して今に至るのです。

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2021年1月21日 (木)

3878 利雪3

利雪についてもう少し考えます。雪を、季節を超えて保管しようとする際に、キーとなるのは「保温技術」でしょう。昔ながらのガラス瓶をつかった魔法瓶では、二重にしたガラス瓶の隙間の空気を抜き、ガラス面には銀色のメッキを施し、高い保温性を実現しています。ペアガラスでは、非常に狭い隙間(数ミリ)の中では気体の対流が起こりにくい事を利用して断熱性を高めています。つまり、空気の対流を起こさせない工夫や断熱材そのものの熱貫流を少なくする(反射させる)コーティングが断熱(壁)に求められる技術だと言えそうです。また、発泡させた断熱材やグラスウールマットは、小さな泡内や密に圧縮した繊維の中では、空気の対流が起こりにくく、従って断熱性も高いと言う性質を利用しています。
雪を長く保存できる断熱材は、当然の事ながら住宅やビルの断熱材としても有効です。あまり原材料を使わないで、しかし断熱性能が高い壁を作る技術は、今後の建物の省エネ性能にもつながる重要な技術であると言えるでしょう。断熱材を薄くするには、発泡材と反射材と熱貫流が少ない材料と言う3種の断熱材を、上手く組み合わせる必要があります。いずれにしても、断熱材の性能を上げる技術は、省エネの推進には不可欠なものであり、この国が今後とも「省エネ大国」であることを標榜するのであれば、安価で性能の高い断熱材の開発は絶対不可欠なのです。
一方で、利雪を考える際には、エネルギーの収支計算も重要です。つまり、利雪を進めるあまり例えば重機などを潤沢に使い、その際使うであろう石油エネルギーが、利雪で得られるエネルギーにあまり変わらないのであれば、それは利雪とは呼べない状態であるとしか言えなくなります。利雪は、最終的には冬季以外の季節の大幅なエネルギー消費の削減に繋がらなければなりませんし、そのためには除雪と移雪の省エネにも最大限努力を傾ける必要がありそうです。

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2021年1月20日 (水)

3877 利雪2

利雪の前に、先ずは雪を移動させる除雪や移雪を上手く処理しなければなりません。今は、取りあえず屋根から雪を下ろして家屋を守り、落とした雪は積み上げるか、スノーダンプで近くの融雪溝に捨てると言う流れが一般的でしょうか。勿論、機械力を使って、ホイールローダーとダンプで再規模に除雪する方法に加えて、小型の除雪機を使って、雪を砕いて遠くへ飛ばす除雪も盛んに行われています。とは言いながら、利雪のために特定の場所に雪を運び、それを高く積み上げるには、有効な方法ではありません。
雪を低熱源として使う場合、例えば、使われなくなったトンネルに雪を詰め込むと、夏場まで低温を維持する事ができ、有効な利雪方法の一つですが、雪をトンネルに詰め込むためには例えばベルトコンベアなどの機械力が必須です。しかし、そのコンベアへの積み下ろしが人力を使っていては、畜雪の能率は限定的に留まるでしょう。ダンプで運んできた雪を、効率的にベルトコンベアに載せ、更にトンネルの奥で雪を下ろして、しっかり積み込むためには、自動化されたローダーとアンローダを準備してやる必要があるのです。砂や砂利などと異なり、雪はある程度の硬さと形があり扱いは難しいのですが、上手い方法としては、雪を一度粉砕して粒状にしてやるのが良さそうです。
粒状にした雪を左右に飛ばせば、トンネルの中は徐々に雪で満たす事ができる筈です。それによって、トンネル壁の棚に保管した、コメ、野菜、リンゴなどの果物、ワインや日本酒、その他の食糧などをエネルギーを使わないで、長期に亘って氷温で保管できる仕組みが出来上がります。利雪に利用する使われなくなったトンネルは、国道の改良工事で、新たなトンネル作られた場合、旧道にひっそりと残されているのを結構な数で見つかるでしょう。実は、この様な利雪方法は、雪室と呼ばれて古くから利用されていたのです。古の雪室は、山の裾に大きな窪みを作り、そこに大量の雪を放り込んで、その上をワラや木屑やムシロなどの保温材で覆うだけの簡単なものですが、盛夏まで雪を残す事ができたと言われています。

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2021年1月18日 (月)

3876 利雪

北国、取り分け日本海側ではこの季節雪に降りこめられます。除雪に忙しくなり、車での外出も億劫になってきます。勿論、温暖化で平均的には雪の少ない年が多くはなりましたが、今年の様に寒波が降りてくる回数が多くなると、積雪量も多くなってしまいます。多雪は、本当に困りものです、雪国であるとは言っても、屋根に1mを超える雪が積もってしまうと、落雪の危険があることに加え、建物への被害も増えてきます。雪は、降ったばかりの時は比重は0.1以下と低いのですが、それが気温の上昇や雨で締まってくると、0.3以上に大きくなるので、同じ1mの積雪でも、建物には数トン~数十トンもの荷重がのしかかる訳です。積雪が少ない場合でも、梁や柱が変形して、ドアや障子が閉まりにくくなったり、隙間ができたりするのです。
それを防ぐために、除雪が必要な訳ですが、ただでさえ傾斜があって、立つのが危険な屋根の上で、動きながら重い雪を取り除くのですから、残念ながら毎年多くの除雪中事故が発生しています。つまり、雪国とは言っても建物自体に屋根に雪が積もらない工夫が施されて地域は少ないのです。勿論、毎年豪雪に見舞われる地域では、屋根の傾斜を急にした上に、屋根の頂上に雪を切る様に、専用の刃の様な構造を付加しています。どうにかして雪の害を減らす作業は、除雪や「克雪」と呼ばれています。その多くは、雪を取り除き、邪魔にならない場所に移動する作業です。
ここで提案したいのは、利雪つまりは雪の有効利用です。雪が持つ性質をまとめてみると1)0℃前後の温度を保っている。2)解けると水になる。3)空気を多く含み保温性もある。4)締まった雪は形状を保持する。5)集積すると解けるまでに長期間かかる、などになります。利雪とは、この様な性質を上手く生かして、何かに利用する事を指します。勿論、これまでもコメやリンゴなどの長期保存のために、まとまった量の雪を利用する試みは行われていました。これは、性質1)と5)を使ったものです。2)も春先から夏場までの農業用水や発電用の水力としてはそれなりに利用されてはいます。3)と4)を使ったものとしては、雪国の楽しみでもある「雪まつり」や「かまくら」などが挙げられますが、当然ですがそれはホンの一部の利用に留まっています。雪国では、先ずは生活の動線を確保するための除雪が優先されますので、利雪まで目が届かないのです。続きます。

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2021年1月17日 (日)

3875 ネガワット発電所

言葉には流行り廃りがあるもので、「ネガワット」と言う言葉が流行ったのは大分前の話になってしまった様です。とはいえ、この言葉の持つ意味は、目減りするどころか、ますます重みを増しているとさえ言えるでしょう。そもそもネガワットとは、「負の電力消費」つまりは、省エネで減らす事ができた電力の意味ですから、ネガワット発電所とは、工場なり各家庭が、例えば1割の省エネを実現した場合、さながらその省エネ量に見合った発電所が新たに生まれたのと同様の意味を持つからです。つまり、現在の快適な生活を支えるために、電量消費量が増えればそのまま新たな発電所を建設すると言う考え方を改め、先ずは徹底的な省エネの励行から始める訳です。
1970年代の半ば、この国の電力消費量は今の丁度半分だったのでした。現在より人口は1割ほど少なかったとはいえ、一人当たりで今の半分ほどの電力を使いながら、それほど「酷く質素な生活」を送っていた訳ではなかったと振り返っています。庶民にも、それなりの家電がや自家用車が普及し、若者はバイクを乗り回していたのでした。
とは言いながら、便利で快適な生活にすっかり慣れてしまった私たちが、果たしてエネルギー半分の社会に戻れるのかは疑問が残ります。エネルギー半分の社会とは、現在のエネルギー消費行動2回を1回に減らすか、あるいはエネルギー消費する時間を半分に減ずるか、と言う行動を全員が取る必要があるのです。勿論、旅行の頻度も、移動距離も、宅配便を利用する回数も全て半分に減らす必要があります。24時間営業は全て取りやめ昼間営業を基本とし、放送なども夜間は休止するなど、眠らない社会活動も全て半分以下に減らす必要もあるでしょう。
この様な生活は、実は人間らしいライフスタイルであることは間違いないでしょう。昼は活動し、夜は眠る事によって、健康的な体や心のバランス(ホメオスタシス=恒常性)が保てるからです。つまり、先ずは夜は眠るのだと言う人間らしい生活スタイルに戻るだけでも、結果としてエネルギー半分の社会に戻り、原発や火力発電所も不要となる、「巨大なネガワット発電所」が手に入るとも言えるでしょう。

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2021年1月14日 (木)

3874 本気のSDGs

SDGsが、国連の全会一致で可決されてから既に5年が経過しました。つまり、2030年には達成したいと言う目標期間の1/3が過ぎてしまったのです。しかし、実状を眺めると、ここにきてやっとSDGsと言う「言葉が浸透してきた」だけで、具体的な動きは、始まったばかりだと言うしかありません。勿論、先進的な大企業は数年前からSDGsを標榜した経営に踏み出してはいましたが、肝心の国はやっと2050年のCO2ぜロ排出に言及し始めた程度で、SDGsを担ぐ省庁も、予算規模もマンパワーも非常に小さいK境省に無理やり押し付けられてしまった形です。
17の目標(英語ではゴールと呼ばれていますが)を眺めてみると、事は環境マターだけではなく、文科や厚労や国交を始め、全ての省庁に関係していると思われるのですが、この国のいわゆる「省庁の縦割りルール」上、どこか一つの省庁に押し付けるしかないのでしょう。
さて、ここにきてSDGsの知名度だけは少しは上がりましたが、実状は昨年来のコロナ騒ぎで、減速どころか後退を余儀なくされていると見るしかなさそうです。取り分け、目標の内でも上位に位置付けられていると思われる、貧困の撲滅に関しては言えば、コロナに影響された経済減速で、間違いなく悪化しているのは間違いないでしょう。それでなくとも遅れ気味だったSDGsへの取組みですが、それを再加速するには、これまでの倍以上の努力を傾ける必要があるのは明らかでしょう。
つまり、本気を出してSDGsの各目標への取り組みを再開するしかないのです。考え方は単純です。何か行動を起こす際に、いくつかの選択肢があるとして、よりSDGsのゴールに近づくオプションを選ぶのです。その際に、数年先の結果にこだわるのではなく、例えばどのオプションが、50年後の子孫の幸福につながり、かつ持続可能性が高いかを判断すれば良いだけなのです。例えば、新しい発電所を建設すると仮定した場合、先ず原発や化石エネルギーを燃料するものは、最初に除外されるべきでしょうし、太陽光発電と風力発電所あるいはバイオマス発電所を比べる場合でも、どちらが最終的なLife cycle burden(建設、運用、廃棄までのトータルとしての環境負荷)が小さいかで判断すべきなのである。その前に、本気を出して出来る限りの省エネ対策を実行し、そもそも新たな発電所の建設自体が不要となるための努力を重ねる方が先であることは間違いないでしょう。

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2021年1月13日 (水)

3873 物流

何時の頃からか、この国の物流は鉄道輸送からトラック輸送に比重が移ってしまいました。しかも、JITの考え方が普及した結果、各地の在庫量はドンドン削られていったのでした。つまり、高速道路網が整備され、それを使って、さながらモノが体を流れる血液の様に、絶え間なく切れ目なく運ばれる仕組みが構築されていったのです。翌日に陳列棚に並ぶべき商品は、夜間にトラックで運ばれ、早朝に消費地に入るのです。その結果、流通業は大きな倉庫を準備して、モノをストックする必要がなくなって、SCやスーパーのバックヤードに短期のストックを持つだけでOKと言う物流システムが完成したのでした。
しかし、今回の様な雪害(災害)で、高速道路が寸断されると、その瞬間からサプライチェーンの崩壊が始まるのです。血管の中に、コレステロールや血栓ができて、血流が滞ると私たちの体の組織は、直ちにダメージを受け、最悪の場合は壊死してしまいます。各SCやスーパーや小売店の短期ストックなど、1週間はとても持たないでしょう。コンビニに至っては、1日で商品棚が空っぽになってしまう筈です。1970年代に石油の輸送が産油国のストライキ?で滞り、いわゆる「油断」による石油ショックを起こしましたが、物流の滞りは「物断」を起こしてしまうのです。
今回の豪雪でも、高速道路上で多数の車のスタックを引き起こしましたが、もし早期に高速道路を閉鎖したとしても、溢れたトラックの列が国道に流れるだけで、それはもっと深刻な動けない車列を作り出すだけでしょう。その結果、除雪車は勿論、緊急自動車さえも動けなくなり、結果全ての社会活動も麻痺してしまう結果をもたらすだけなのです。便利さだけを追い求める今の物流システムは、他方では災害には非常に脆いものであることが、今回の豪雪によっていみじくも暴露されたと反省し、なるべくモノを運ばないで済む、つまりは「地産地消」を推進する様な社会システムの改革が求められていると思うのです。これは社会の進歩でもなんでもなく、社会システムの少しの後退ですので、私たちはその様な時代を過去に経験してもいますので、その変更にはリスクも殆どないのです。

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2021年1月11日 (月)

3872 温暖化と豪雪2

日本では、連日豪雪のニュース一色ですが、実は海の向こうのスペインやポルトガル当たりでも50年ぶりの豪雪に襲われている様です。1月3日のジェット気流の解析図では、寒気が東アジアの他に、ヨーロッパではピンポイントでイベリア半島方面にも入っている事が明らかです。イベリア半島の沖には、良く知られている様に、主要な暖流であるメキシコ湾流が流れていて、日本における日本海側での豪雪と全く同じメカニズムで大量の降雪となった訳です。
手元にデータはありませんが、間違いなくメキシコ湾流の海水温も例年より高くなっていたと思われます。繰り返しになりますが、苛烈な気象は地上(海面)と上空の寒気との、より大きな温度差で引き起こされた激しい上昇気流と、巻き上げられた大量の水蒸気によって引き起こされるのです。具体的には、地上と上空1500mに入っている寒気との温度差が40℃以上になると、大気の状態が極端に不安定になって、災害級の気象が発現する事につながると言われています。
地球の温暖化、とりわけ海水温度の上昇によって、これまでは何十年かに一度しか起こらなかった様な、強烈な熱波や寒波や台風や豪雨による大災害が、毎年の様に襲ってくることになるかも知れません。と言うより、最近の国内外に起こった、この種の災害の多さや大きさを眺めても、既にその様な時代に入ってしまったと見るしかないでしょう。私たちは、その災害に大規模な建設や土木技術を駆使して立ち向かうのではなく、災害が頻発する様な地域を放棄して、より安全な地域へ移動するしかないとも思うのです。「天気の子」ではありませんが、東京などの海面より低い地域(ゼロメートル地帯)は、間違いなく潜在的に水害的に危険な地域である事は間違いないでしょう。豪雪も雪に姿を変えているとは言え、苛烈な気象による「水害」である事には変わりがありません。地球上の一地方に豪雪や豪雨が起こるという事は、他方では必要な雨が降らない干ばつが広く発生する事につながります。稿を改めますが、これは間違いなく食糧問題を引き起こす原因にもなっていくのでしょう。

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2021年1月10日 (日)

3871 温暖化と豪雪

今年は、数十年ぶりの豪雪となりそうです。北極気団の縁を取り巻くジェット気流の蛇行により、取り分けバレンツ海からの冷気を運ぶ流れが、東アジアがすっぽりと強い寒気に覆われているのが直接の原因ですが、今回の豪雪には別の要因もありそうなのです。それが、いわゆる温暖化による気候変動です。今年の日本近海、とりわけ日本海の海水温が、例年より2℃ほど高いと観測されていますが、この寒気団と高い海水温が豪雪をもたらすのです。海水温が高いと、海面からさながら温泉の様に湯気(水蒸気)が発生します。これに寒気が作用すると当然の事ながら厚い雪雲が発生し、日本海側に大雪をもたらすのです。
海水温が高いのは、今回の寒気団が降りてきた際に、日本海に「台風並み」の低気圧が発生した事でも裏付けられています。その低気圧の衛星写真を見ると、まるで台風の様に「目ができていた」のでした。低気圧は、上空の寒気と地上(海面)の温度差が大きいほど、強烈に発達します。それは、夏場に強烈な日射があった午後に、強大な積乱雲が発生するメカニズムと同じなのです。海水温の上昇はたった2℃ですが、上空のマイナス40℃近い寒気との温度差は50℃にもなるでしょうから、台風並みの低気圧が発生しても不思議はないでしょう。夏場、フィリピン沖の30℃を超える海水温と上空のマイナス10℃程度の大気が作る温度差よりも大きいからです。
温暖化が気象を激甚化させる原因は、まさに温暖化によって、大気中の水蒸気量が増え、更に海水面と上空の大気との間により大きな温度差を発生させる結果、大気がより不安定になって、大気の対流や風を激しくさせて強風や豪雨や豪雪をもたらす事につながるのです。昨日のNスぺでも、温暖化の恐怖を本気で強調していましたが、もしかすると私たちは、PONR(Point of no return=後戻りできないポイント)にすでに到達しているのかも知れません。人類にとって、取り分け次世代にとって、恐ろしい事ではありますが・・・。

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2021年1月 7日 (木)

3870 飛沫感染

コロナ感染に関して、欧米とこの国の感染率の違いが気になっています。勿論、基礎免疫の違いもあるのでしょう。一般に、元々群れて密に暮らすライフスタイルのこの国やアジアの諸国と欧米の生活には、既存免疫の形成の程度にも違いが出てもおかしくはないでしょう。つまり、我々は満員電車などで密な接触を繰り返す中で、より多くの感染症のリスクを抱え、結果として多くの感染症に晒され、結果としてそれらの感染症への免疫も獲得しているのでしょう。従って、新たなウィルスにより感染症にもそれなりの抵抗を示す事ができるのでしょう。
しかしそれだけで、現状の全ての事象を説明するには無理がありそうな気がするのです。別の違いを考えてみると、言語がありそうです。投稿者がまともに話せるのは、日本語と英語程度ですが、どちらが口を大きく開けて発音し、どちらが破裂音など飛沫がより多く飛ぶ単語が多いかを思い起こしてみると、明らかに欧米語に軍配が上がるでしょう。加えて、マスク装着率の大きな差があります。几帳面にマスクをつける国民と、自由を求めてマスクを嫌う国民性の違いがあるでしょう。つまり、欧米では飛沫感染により拡散する感染症には、「社会的に脆弱である」と言えそうなのです。
とは言いながら、ウィルスもさるもので、感染を繰り返す中で、より感染力の強い株に変異し、この国でもなかなか歯止めが掛けられない状況に陥っているのです。ウィルスの増殖に好適な気温は5℃-15℃程度との事ですので、都市部の平均気温がこの範囲に入る冬場は、毎年各種のウィルスが猛威を奮うのですが、暖かくなる3月以降まではコロナ感染のピークが続きそうな予感がするのです。第2波でそうした様に、今回の第3派でも、ピークが過ぎるまでじっと我慢の自粛的な生活を続けるしか無さそうです。

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2021年1月 1日 (金)

3869 新年にあたって

新しい年が明けましたが、相変わらず新型コロナの暗雲が世界中を覆っている様です。どうやらコロナウィルスが活発に活動するのは5-15℃の範囲の様ですから、平均気温がその範囲を脱する5月以降、ワクチンもジワジワ効奏する初夏にでもなれば、少しは明るさが見えて来るのでしょうか。あるいは、「賢いウィルス達」は、それを掻い潜る様に狂暴に変異して、数年間猛威を奮い続けるのでしょうか。いずれにしても、人類は100年前のSペイン風邪の猛威も何とか凌いできたので、今回も何とか耐えて暮らしていくのでしょう。
しかし、コロナ後にも忘れてならないのは、今回のパンデミック(Sペイン風邪の例に倣えばB漢風邪?)が残した教訓だと思うのです。投稿者なりにまとめてみるなら、1)都会で群れて住むことのリスクは非常に大きい事、2)ウィルスは変異を繰り返し不死身?である事、3)完璧な治療薬を手にしない限り人類は常に彼らの後手に回らざるを得ない事、4)それなりの「自粛生活」でもどうにか世の中は回っていくこと(逆に言えば、これまでの生活はかなりバブリーであった事)等になります。
特に最後の4)は、今後の最大の教訓にしなければならないと思うのです。例えば、今回のコロナ騒動以前を想い起こしてみると、人々はこぞって海外旅行に奔走した結果この国にも人口の3割にも及ぶ観光客が押しかけ、豪華客船や豪華列車の予約の列に並び、グルメや美酒に酔い、居間の延長の様な車に乗り、スポーツやコンサートで熱狂し、新年のカウントダウンのために大挙して街に繰り出し、それでも足りずに美食や運動不足の結果、多くの人々が昔は贅沢病とも呼ばれた生活習慣病に罹患するに至っては、何をかいわんやでしょう。
このブログでも何度か書きましたが、都会の暮らしは、田舎や国外からの製品や食糧やエネルギーのサプライ無しには、一日として続けられない「山小屋生活」であり、毎日が「お祭り生活」だと思えるのです。そうではなくて、日頃は質素な「ケの日」を過ごしながら、年に数回の「ハレの日」を楽しむと言った、いわゆる田舎の暮らし(自給自足により近い暮らし方)こそ、今後の社会の理想に掲げるべきだと、今年の新年にあたってもシミジミと思った次第です。

 

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