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2021年1月21日 (木)

3878 利雪3

利雪についてもう少し考えます。雪を、季節を超えて保管しようとする際に、キーとなるのは「保温技術」でしょう。昔ながらのガラス瓶をつかった魔法瓶では、二重にしたガラス瓶の隙間の空気を抜き、ガラス面には銀色のメッキを施し、高い保温性を実現しています。ペアガラスでは、非常に狭い隙間(数ミリ)の中では気体の対流が起こりにくい事を利用して断熱性を高めています。つまり、空気の対流を起こさせない工夫や断熱材そのものの熱貫流を少なくする(反射させる)コーティングが断熱(壁)に求められる技術だと言えそうです。また、発泡させた断熱材やグラスウールマットは、小さな泡内や密に圧縮した繊維の中では、空気の対流が起こりにくく、従って断熱性も高いと言う性質を利用しています。
雪を長く保存できる断熱材は、当然の事ながら住宅やビルの断熱材としても有効です。あまり原材料を使わないで、しかし断熱性能が高い壁を作る技術は、今後の建物の省エネ性能にもつながる重要な技術であると言えるでしょう。断熱材を薄くするには、発泡材と反射材と熱貫流が少ない材料と言う3種の断熱材を、上手く組み合わせる必要があります。いずれにしても、断熱材の性能を上げる技術は、省エネの推進には不可欠なものであり、この国が今後とも「省エネ大国」であることを標榜するのであれば、安価で性能の高い断熱材の開発は絶対不可欠なのです。
一方で、利雪を考える際には、エネルギーの収支計算も重要です。つまり、利雪を進めるあまり例えば重機などを潤沢に使い、その際使うであろう石油エネルギーが、利雪で得られるエネルギーにあまり変わらないのであれば、それは利雪とは呼べない状態であるとしか言えなくなります。利雪は、最終的には冬季以外の季節の大幅なエネルギー消費の削減に繋がらなければなりませんし、そのためには除雪と移雪の省エネにも最大限努力を傾ける必要がありそうです。

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