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2021年2月28日 (日)

3904 空飛ぶ車を嗤う

T社も本格的に空飛ぶ車の実用化に乗り出すようです。空飛ぶ車の嚆矢は、たぶん1950年代B国での数多くのチャレンジでしょうか。車用のガソリンエンジンも性能(出力)が上がり、コンパクトにもなってきた時代、車を徹底的に軽量化し、それに翼をつけたもので、多くのチャレンジが行われたのでした。しかし、残念ながらそのバカ高い値段と、事故も多かったこともあって、実用化には至らなかった歴史がある様です。
しかし、近年は小型ドローンを発展させる形で、新しいタイプの電動乗用ドローンが次々に開発されてきました。ヘリコプターの様にシングルローターではなく、4個以上のマルチモーター・ローターの、いわゆる小型ドローンを大きくした様な形をしています。
ヘリコプターが実用化され、型式証明を受けて運行されている背景には、勿論数多くの事故と改良があった筈です。ヘリの様に、大きなローターが全荷重を吊り下げるタイプの航空機は、大きな安全上のメリットを持っています。それは、ローターの揚力の下に、機体重心があるため、ローターが停止した場合でも、落下する途中にオートローテーションによって揚力を生み出せば、地上への激突が回避できる点にあります。そうでなければ、エンジントラブルの度に、墜落事故が発生し、多くの犠牲者が出ていた筈です。そうは言いながら、ヘリが事故を起こす確率は、翼をもつ航空機に比べて、確率は3桁も高いのです。(100万飛行当たり10回以上)
では、乗用ドローンの安全性はどう考えれば良いのでしょうか。ドローンは、ヘリとは異なり、機体+乗員の荷重の重心は、ローターが出す揚力よりはやや低いものの、とても吊り下げ型とは言えないでしょう。加えて、複数のローターは均等に荷重を支えていますので、もし一つか複数のローターが停止した場合、バランスが崩れ機体は傾くでしょう。それを防ぐには、ローターの揚力に余裕を持たせ、しかも瞬時に止まったローターの揚力をカバーする様に難しい制御しなければなりません。
つまり、乗用ドローンの安全性を確保するためには、システム(取り分け動力系)にかなりの冗長性が求められるのです。冗長性=重量増加を意味しますから、貨物用ドローンに比べ、ペイロード当たりの重量が大きくならざるを得ません。加えて、乗員・乗客は風に晒されて生身で乗る訳にはいきませんから、乗員(乗客)一人乗せてを飛ばすためには、どれほどの機体重量になるのかを考えるととても実用化されるとは思えません。元技術屋のヤマ勘で言えば、300㎏以上にはなるでしょうか。バイクで言えば2台分程度です。こんな物体が、頭の上を飛び交い、そしてダウンバーストや突風などで、時々は墜落する様な危険な社会は想像できませんし、絶対に実現させてはならないでしょう。大金と人材を使っての無駄な開発努力は即刻中止すべきです。

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