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2021年2月24日 (水)

3902 金属疲労と金属腐植

3901に書いた、B国の航空機事故では、事故調査委は現段階では、どうやらブレードの金属疲労による破断が直接の事故原因であるとの見方を強めているとの速報がありました。この見方に100%の賛成は出来ないのですが、一応それを尊重するとして、そもそも原因が金属疲労だとすると、今後このタイプのエンジンは、頻繁な点検が必要になる事は間違いないでしょう。金属疲労で部品が破壊する機序は、先ずは金属結晶の境目(粒界)に微細な割れが入り、繰り返し応力によってそれが徐々に拡大して、ついには破談に至る訳です。
どの様な金属も、製造の段階では溶解する訳で、従って凝固の段階では、大きさは別にして金属は粒子の塊となり、粒子同士の間には粒界ができてしまうのです。粒界には、不純物が集まり易く、強度も低下するため金属の破断は必ず粒界から始まるのです。粒界はまた金属腐植も起こりやすい部分でもあります。その結果、水分や塩分のある環境では、製造後比較的短期間に、目には見えない大きさのクラックの卵(髪の毛のより細い=ヘアクラック)が発生してしまうのです。
定期検査では、それが目に見える大きさになった段階で発見され、部品交換につながるのですが、問題は基準より小さな(細い)クラックは見逃され、次の定期検査まではエンジンは動かされ続ける事になるのです。しかし、3901に書いた様に、共振による異常振動が一定時間以上持続すると、このヘアクラックが成長し、比較的短時間での破断に至るのでしょう。
もう一つ今思い出したのは、昨年から殆どの航空機が地上で駐機している時間が非常に長くなっていると言う事実があります。また定期検査の間隔は。車とは異なり飛行時間も考慮されて行われますので、駐機時間が長くなると、定期検査の期間も延長されている可能性があります。日常的に使われているエンジンは、熱を帯びており乾燥していますが、駐機中はエンジンの入り口付近は風雨にさらされ、腐植環境にあると考えられます。この駐機期間に、先ほど述べたヘアクラックが腐植によって拡大している可能性も否定できないのです。いわば全ての航空機は、コロナ禍⇒運航停止期間の拡大⇒金属腐植の成長という、負の劣化の連鎖に入っている可能性があるのです。できれば、飛行機に乗るのは当分避けたいものです。

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