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2021年3月16日 (火)

3912 バイオ燃料

緑藻類を使ったバイオ燃料やバイオ航空燃料の製造や実用化がネットニュースになっている様です。勿論、それで全量を賄う事など出来ないでしょうから、削減義務を負わされている石油消費家は、例えば石油燃料に5%程度混ぜて使い、石油(=CO2排出)を5%削減したと発表したいのでしょう。
投稿者が実際に見聞きしたバイオ燃料の例を挙げると、1)ナタネ油をSVO(直接燃焼)として農業機械の稼働(ドイツ)、2)ナタネ油をメチルエステル化してのディーゼル車の運用(国内)、3)ブラジルにおけるエタノール車の運用(ブラジル)などですが、それぞれに課題を抱えている様です。1)はナタネを栽培するための広い農地が必要ですから、食糧生産との農地のバッティングが問題になるでしょう。2)では、廃食油を使ったとしても、改質の使用するメタノールの確保とメチルエステル化の過程で生ずる大量の廃棄物(グリセリン)の処理でしょう。3)でもブラジルの様に農地が豊富な国では、石油と競合は可能なのでしょうが、他の国では実用化は到底無理でしょう。加えて、エタノールはガソリンに比較して熱量が小さいので、車の馬力が大幅に低下もします。
では、緑藻類を培養して得られるバイオ燃料の実用度はどうなのでしょう。現状では、ガソリンと同等の燃料の製造は無理の様で、軽油や航空燃料(ケロシン)を代替するのが精々なのでしょうが、いずれにしてもクロレラ培養のための広い培養池が必要です。クロレラは葉緑素を持つ「植物」なので太陽光を使って光合成をおこなって増殖します。従って、培養には豊富な日照時間も必要とされる訳です。狭い国土のこの国で、ではその様な広い培養池の確保が可能かと考えてみても、田んぼでも潰さない限り土台無理な相談だと言うしかないでしょう。
ジェット燃料に経った5%程度のバイオ燃料を混ぜて飛ばすくらいなら、飛ばす航空便を5%減らす工夫をした方が近道でしょう。ましてや、新幹線網が張り巡らされているこの国で、短距離の旅客便を飛ばす意味など見出す事は出来ないでしょう。私たちは、輸送システムに関してあまりにも便利で速い事を求め過ぎている様です。先ずは、省エネ=節約による大幅な石油消費量の削減こそが最優先なのです。

 

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