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2021年4月 9日 (金)

3926 ある人生9

<環境人間への脱皮>
そこから早期の退社を決意するまでは結構早かったのですが、その前に改めて環境先進国であるドイツの状況を見ておきたかったので、2002年の春、勤続30年達成で会社から貰った旅行クーポンを使って、(妻には観光旅行だと信じさせて)2週間ほどドイツや欧州における環境への取組みを見て回ったのでした。レンタカーで走り回った環境先進国のドイツで見たのは、石油メジャーが建設した巨大な太陽光発電パネルの製造工場、色素増感型の新しい太陽光発電パネルの試作品などで下。訪ねたのは春先で、各地の農場は菜の花で一面黄色に染まっていたのですが、それから採れるナタネ油をそのまま使って動かす農業機械(SVO)、木材ペレットを燃やしているペレットストーブ、風車群や住宅での太陽光発電などの再エネ利用の確かな活動でした。
また、川や湖ではかつてはコンクリートで覆った護岸を壊し、緑の土手や砂浜に戻す工事も何か所かで目撃し、北ドイツの炭田地帯では、既に全ての炭鉱が廃止され、石炭化学工業地帯も既に更地に戻っていたのでした。
当時ドイツでは、政策として原発全廃を決めていて、数か所の原発では既に廃炉作業にも着手し始めていました。厳しい自動車リサイクル法では、全ての廃車は販売の逆ルートでメーカーに戻される仕組みとなっていました。メーカーでは、(シュレッダーではなく)部品毎に細かく分解され、ほぼ100%がリサイクルされる仕組みなのです。また規格化され、分厚く作られているPETボトルは、20回以上洗浄されて再使用される法律となっていましたし、各種製品に対しても厳密なリサイクル法が作られており、生活の中での実際のリサイクルの方法を小学校の低学年で教えてもいたのでした。その環境旅行?で感じたのは、当時の日本は「我が国は環境先進国」であるなどと胸を張っていたのですが、実際の環境への取組みでは、既に欧州からは「周回遅れ」の状態にあるという危機感だったのです。
その年(2002年)の春の異動では、高専卒としては異例のポジションに昇進もさせては貰ったのですが、それなりに分厚いボーナスを2回貰っただけで、年末には早期退職を実行したのでした。その際、それまで20年間関わってきた、航空機産業への未練は全くなかったと振り返っています。

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