« 3939 環境スペクトラム | トップページ | 3941 目的と手段の逆転 »

2021年5月10日 (月)

3940 温暖化効果粒子

投稿者としては、黄砂やPM2.5が大陸から襲来する時期と、季節外れに急に気温が上昇する時期が重なっていることにだいぶ前から気付いては居ました。どうやら、その科学的な関連が、いくつかの研究で明らかになってきた様です。温暖化に関与する大気中の粒子としては、それこそCO2やメタンガスなどの温暖化ガス粒子の分子サイズから水蒸気(~雲粒子)サイズまでは既に研究が進んでいますが、一方でPM2.5や黄砂、あるいは煙突や排気管から排出されるスス粒子などの温暖化係数に関しては、まだ研究の進み具合が遅い様なのです。
理由はハッキリしています。大気中の粒子は、地上付近の風によって吹き流されて、刻々その濃度や分散状態が変化しますし、降雨によっては、一晩で洗い流されてしまう場合も多いので、定量的な分析が出来にくいのです。しかしながら、温暖化効果ガスや効果粒子は、いわば大気中にある「布団」の様に、赤外線や遠赤外線を吸収して、大気温度を高める働きをする事は間違いはないので、今後短期的な気象予報には不可欠の因子となりそうな予感があります。つまり、この季節、上空の大気(寒気)の状態からの気温の予想ではそんなに高くなる要素は無いのに、突然夏日や真夏日になってしまう事が起こります。例えば、ここ数日の高い気温状態が好例でしょう。この時期は結構太陽高度が高くなり、日射も強いので、上空が温暖化効果粒子の布団で覆われると、地上から宇宙への赤外線放射が阻害されることになり、急に気温が上昇する事につながるのでしょう。加えて、温暖化効果粒子が漂う高度は地上付近から数キロ上空と限定されるので、気温の上昇効果も急で激しくなることもあるでしょう。
例えば、黄砂やPM2.5の濃度に関してはかなり細かな予報が出される様になったのですから、それを他のサイズの粒子(例えばスス粒子)を含めた予報を出し、それを気温の予報データと組み合わせれば、より確かな高温警報が出せる事につながるでしょう。今は、気象衛星で赤外線を使った観測も行われているので、その観測結果は十分に温暖化効果粒子の温暖化効果を反映した観測結果になる筈なのです。一方で、ある種のエアロゾルは、温暖化とは逆の冷却効果を持つことも知られているので、粒子状物質の総合的な観測は不可欠でしょう。いずれにしても、黄砂などの自然現象は別にしても、PM2.5やスス粒子は、人間の活動から大量に発生する物質ですので、その抑制技術も含めて今後の研究の進捗が待たれます。

|

« 3939 環境スペクトラム | トップページ | 3941 目的と手段の逆転 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3939 環境スペクトラム | トップページ | 3941 目的と手段の逆転 »