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2021年6月21日 (月)

3954 環境学2

環境学について言いたい事はもう少しありそうです。凡そ「環境」とい概念は「閉じた系」であると考えるべきでしょう。地球環境と言う系を考えてもそうです。確かに、宇宙空間から飛来する隕石もあるし、稀ですが地球から飛び立ち、宇宙のかなたに消えていく宇宙船もあるのでしょうが、基本的にはその僅かな物質の授受以外は、地球はほぼ完全な閉じた系と考える事が出来ます。
もう少し、小さな単位で考えて、島国である日本について考えてみます。海外との交易が殆ど無かった古の時代、この国もほぼ閉じた系だったと言えるでしょう。日本の外の系から来るものと言えば、雨や偏西風がもたらす黄砂などに限られていましたし、出ていくのは火山活動から上空高く噴き上げる噴煙や噴出物、あるいは川が山を削って海に運ぶ泥程度だったからです。無視できる程度ですが、渡り鳥や他の生き物が運ぶ有機物の出入りもあるにはありました。
しかし、大航海時代は限定的だった海運が、取り分け戦後になって、大型船によって大量運搬、大量消費時代に入って、国の間の物流量が飛躍的に拡大していったのでした。そして、その量が環境に影響を与える規模まで拡大した時に、例えば「公害」などの「環境問題」を引き起こし、それを吟味するために「環境学」が必要となったのでした。公害とは、環境が処理できる量を超えて、環境中に自然には存在しない(またはごく僅かにしか存在しない)物質を排出した結果日本でも世界各地でも巻き起こったトラブルでした。例えば、それが有害物を含む排煙や排気ガスでは、大気汚染という公害を引き起こしましたし、有害な物質を除去しないまま、工場排水や生活排水を川や海に流し続けた結果、水俣病やイタイイタイ病や悪臭漂うドブ川問題を各地で起こしたのでした。
勿論、環境がその負荷をどの程度引き受けられるかの限界(=しきい値)は重要ですが、公害の中には、環境が即反応する場合と長い間沈黙を守る場合があるのです。目に見える、大気汚染や水質汚濁は誰の目にも明らかですが、では50年前に大気中の温暖化効果ガスによる環境悪化について誰が警鐘を鳴らしてくれたでしょうか。投稿者の知る限りにおいては、ごく少数の学者グループだけだったと振り返っています。温暖化効果ガスは、CO2の様に無毒で、目には見えませんし、逆に植物の光合成には不可欠のガスでもある訳で、それが気象に重大な影響を与えるなどとは、以前には殆ど知られていなかったからです。
環境学とは、3953とは別の言葉で言えば、「(ほぼ)閉じた系に生ずる後戻りできない変化を予測し、評価し、修復を図る学問である」とも言えそうです。系の変化量や率が激し過ぎると、最早後戻りも修復も出来ない、環境「破壊」に至るのです。今や私たちは、その後戻りできないポイント(Point of no return)に立っていると考えなければならないでしょう。残念ながら。

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