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2021年7月14日 (水)

3964 「空飛ぶ車」は飛ばない

このブログでも何度か「空飛ぶ車」に言及していますが、最近でもSロバキアで、スポーツカーに翼をつけた空飛ぶ車がテスト飛行を成功させて、ニュースになりました。しかし、実用化となると話は変わります。先ずは、陸を走り、空を飛ぶ動力源ですが、実用を考えると、このケースの様に、コンパクトで高出力のガソリンエンジンとするか、あるいは航続距離を犠牲にして、バッテリー+モーターとせざるを得ないでしょう。実験機の段階では、いずれもが成功しているように見えます。しかしながら、実際の運用では、システムの信頼性の倍増が不可欠です。つまり、動力源の二重化によるバックアップか、あるいは動力が失われた際でもそれなりの距離を滑空できる性能のいずれかを確保する必要があるでしょう。
今回のスポーツカータイプの空飛ぶ車は、いずれのバックアップも備えていない様に想像しています。それは見かけでも明らかです。地上を走行するために翼が可動で、車体に格納できる仕組みとなっては居ますが、それは翼面積が非常にコンパクトであることを要求します。グライダーを思い浮かべれば分かりますが、滑空を可能するためには機体重量に比べて十分広い翼を必要とするのですが、この車+飛行機の場合には、動力が失われた場合は、急角度で高度を失うのは間違いありません。特に低速の場合は揚力が十分ではない結果、殆ど墜落に近い状態で高度を失う筈なのです。しかし、もし安全性を確保するために動力系を二重にしようとした場合、重量が重くなり過ぎて飛び上がれなくなることは目に見えています。
加えて、車が空を飛ぶ場合、パイロットには車の運転技量に加えて、空を飛ぶための知識と技量が必要となります。また、天候の具合も何時も快晴、無風である訳ではなく、雲や風や雨などの時々刻々変わる天候にも臨機応変で対応することも必要でしょう。それは、自動化されマニュアル化された旅客機の操縦よりも高い技量だとも言えるのです。
そんなに機数が多くない(民間機で800機程度、内個人所有は250機ほど)ヘリコプターでさえ、年間では数件の事故が報告されているのです。個人所有の空飛ぶ車が、ヘリに混じってこの狭い国土の上空を飛び回る姿など、危険すぎて全く想像もできません。今回の考察でも同じ結論ですが、危な過ぎる空飛ぶ車など絶対に実用化されない、となりました。

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