« 3966 20世紀は終わった | トップページ | 3968 都市化の罪と逆流 »

2021年7月21日 (水)

3967 20世紀は終わった2

20世紀技術の代表として、航空機と原子力を挙げてみましょう。先ず航空機です。言わずもがなですが、20世紀に入ってすぐに、ライト兄弟が数十秒間の飛行に成功して以降、急速に航空機の時代に入りました。それが、二度の大きな戦争でその技術も急速に伸びて、第二次大戦中に開発されたジェットエンジン技術が、戦後に花開いて現代の航空機産業につながっている訳です。勿論、機体の軽量化技術とエンジンの高効率化技術が相まって、その技術は極限まで進歩はしましたが、ケロシンとも呼ばれる石油を燃料とするという状況は、初期型と何も変わってはいない訳です。つまり、航空機技術は成熟し切っており、原理的なブレークスルーは殆んど期待できない状況だと言えます。同時に、ジェット旅客機を利用した旅客輸送のビジネスモデルも、新型コロナウィルスというパワーアップした感染症によって、行き詰まりを見せている訳です。
さて、技術とビジネスモデルで息詰まった、航空機業界ですが、コロナが一段落しても、たぶんV字回復は期待できないでしょう。何より、航空旅客がこれだけ減少しても、世の中がどうにか回っている事を世界中の人々が体験してしまった事は、社会的に大きな出来事となるでしょう。つまり、今後は旅行のための旅行と言った、航空機の利用は格段に減ると思われるのです。それは、レジャーと言えば(海外)旅行しかないという、私たちのライフスタイルの見直しも要求するのです。
さて、一方の原子力ですが、これは20世紀の中盤に実用化された技術の代表なのですが、発端は軍事利用だったのです。東西冷戦の中で、何か月も海に潜ったままで活動できる潜水艦の動力源として、原子炉が採用されたことが発端でした。その後、日本でも1隻だけ建造されましたが、船舶の動力源としてスケールアップが試行されましたが、結局放射能の封止技術が不十分だったため、原子力空母でいくつかの実用例が残っただけで、舶用としての原子炉の実用は放棄されたのでした。しかし、諦めの悪い技術者は、これを陸上の発電所の動力源に転用し、放射性廃棄物の発生には目をつぶりながら、世界の多くの国々で、原発を建設し続けたのでした。確かに、放射性廃棄物の処理や、寿命を迎えた原発の廃炉(日本では事故原発の廃炉)費用を無視すれば、発電コスト的には原発が優位に立っては居るのでしょうが、今だにそれを唱えているのはこの国だけになった様に見えます。
結局、廃棄燃料のリサイクル技術として期待された、高速増殖炉は失敗に終わり、廃炉後の高濃度放射性廃棄物の処理方法の目途も立たず、原発は破綻したのですが、この国ではカーボンニュートラル政策が背中を支える形で、原発を存続させる方向に動いているのです。原発は、軍事産業と重厚長大産業を両親に生き続ける「20世紀の亡霊技術」以外の何者でもないのです。

|

« 3966 20世紀は終わった | トップページ | 3968 都市化の罪と逆流 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3966 20世紀は終わった | トップページ | 3968 都市化の罪と逆流 »