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2021年7月 7日 (水)

3961 偏西風の弱まり

3960に関連して、偏西風の弱まりも昨今の異常気象に関連していると考えられます。高緯度の偏西風は、極地方に蓄積している冷気=高気圧の吹き出しが、コリオリの力で、さながらその極気団を縛るハチマキの様に流れている強い風の事を指しますが、それが近年かなり弱まってきている様なのです。原因ははっきりしています。それは極地方の温暖化です。とりわけ、北極海の温暖化傾向の中で、夏の間は海氷の大部分が消失してしまう結果、白夜の陽光で海水温がますます上昇するという「悪循環」に陥っているのです。この結果、特に夏場の極気団が弱まり、結果として偏西風も弱まるのです。
偏西風が弱まるとどうなるかと言えば、それは蛇行の原因となる訳です。北極点から見て円形に近い形をしていた偏西風リングが、蛇行を始めると例えば数枚の葉を持つクローバ型に変形し、蛇行の凸の部分では寒気が降りてくるのですが、逆に凹の部分では南から暖気が高い緯度の地域まで入り込んで、異常な高温をもたらすのです。しかも、この偏西風の蛇行は一度始まると、長い期間固定的なってなかなか動かない様なのです。その結果、今回の北米で起こった異常高温も長く続き熱中死などの被害を増大させたと思われるのです。
極地方、取り分け北極地域の温暖化傾向は、前述の様に悪循環の過程に入っているので、今後カーボンニュートラルをいくら頑張っても「悪化傾向」のトレンドは変わらないでしょう。そうであるならば、私たちの残された道は、その温暖化への「適応」しか無さそうなのです。具体的には、効果の見えにくい地道な活動ではありますが、例えば砂漠を緑化して地球のアルベド値を下げる事、深海のミネラル分の多い海水を海面に汲み上げる事などによって、植物プランクトンを増やして、CO2の吸収源を増やすなどの方策しか見当たらないのです。
即ち、温暖化効果ガスを減らす⇒温暖化を弱めて平均気温を下げる⇒極地方の陸氷・海氷を復活させる⇒偏西風を復活させるという、息の長い「温暖化の逆サイクル」を回すしかない訳です。これは数世代を跨がる活動になる事は自明です。しかし、遅すぎるとは言え、今日から始める必要があるのも間違いはないでしょう。

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