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2021年9月24日 (金)

3989 水素社会への展望

最初に宣言しておきますが、投稿者は水素社会に否定的な立場を取っています。理由はいくつかありますが、最も重要な理由は、水素社会には「重厚長大」システムが必須であると言う点です。つまり、CCSと組み合わせて水素を化石燃料からの改質で作るか、或いはどこかの砂漠で作られる安い太陽光発電の電力を使って電気分解で作るにせよ、安価な水素を得るためにはそれを大量に作って、大量に運ばなければならないでしょう。流通についても、現在の石油同様、タンカーやタンクローリーなどで運搬し、水素ステーションで販売する流通網の整備が必要です。結局、莫大なインフラ投資と長い普及期間を要する「巨大システム」を構築しなければならないのです。
一方で、再生可能型エネルギーの本質はといえば、大元のエネルギー源が太陽光である事から考えても、「分散型であるという必然性」からは逃れられません。つまり、水素社会は事の本質と最初から矛盾している訳ですから、温暖化防止の解決策とはなり得ない要素を内在している訳です。大規模システムは、一度構築されると、それを維持するためには製造から流通まで「途切れの無い」流れが求められるでしょうし維持投資も必要です。現在石油に関しては、システムの維持のために、数か月分の消費量を支える「備蓄基地」を設けていますが、水素を数か月分備蓄する様な巨大な備蓄施設など、地震などのリスクを考えると全く想像できません。また流通の段階でも、石油に比べて引火性が格段に高い水素爆発の危険性は、F島の原発の悲劇的な水素爆発事故を想像すれば十分でしょう。
常温で液体の石油と常温では気体で、それを液化するためにはマイナス2百数十℃まで冷却しなければならない水素とは全く次元の異なる燃料だと言えます。水素は、使用時にCO2を排出しないだけで、純粋な再生可能型エネルギーなどではなく、石油の延長線上のハードなエネルギーなのです。

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