« 3994 公共インフラの劣化 | トップページ | 3996 ガソリン200円時代 »

2021年10月17日 (日)

3995 空飛ぶ車を諦める

相変わらず、ネットには空飛ぶ車(Flying Automobile=以下FA)のニューズが引きも切らずにアップされています。一体、誰が自信を持って、近い将来、空に今のバイクやタクシーの様に空飛ぶ車が行き交うとでも言うのでしょうか。そんな世の中は危なくて道も歩けません。平面を走る車でさえ、車同士、車対人、或いはコンビニなどに突っ込む自損事故などの多数の交通事故を起こしているのに、3次元の自由度を持つFAの事故の確率は、交通事故のそれの累乗に上る筈です。航空路が厳密に規定されている、旅客機=定期航空路線でさえも、一定の確率で事故を起こしている事を想えば、無秩序に小型のFAが飛び交う社会など全く想像できないのです。
例えば、複数のモーターとプロペラを持つ、大型ドローンの様なFAであっても、たった一つのモーターの停止でも、機体の姿勢が崩れて墜落するでしょう。有翼のタイプであっても、FAの小さな翼の小さな揚力程度では、低速で動力が失われると滑空は出来ませんので、やはり墜落は免れないでしょう。残されたFA実用化の唯一の可能性は、ホバークラフトタイプの地上数センチに浮上して移動するタイプでしょう。ならば、タイヤを備えている今の車と変わるところはありません。それどころか、ホバークラフトは浮上しているが故に、急ブレーキが全く効きません。そんなFAが地上を動き回る社会など全く想像できないでしょう。
このブログでも、何度となくFAに対する否定的な意見を述べていますが、勿体ないのは、企業やベンチャーが費やす莫大な開発費と優秀人材の浪費です。技術者は、当面のターゲットが与えられさえすれば、種々の課題を克服してある答えを導きます。しかし、それらの技術者と言えども社会インフラを変えるビジョンや実際の行動を起こせる訳でもないでしょう。FAを開発し、それを社会に投げつけ、社会や利用者にインフラ整備や法令整備を丸投げするのは、全くの無責任と切り捨てるしかないのです。SDGsでの望ましいゴール(目標ではありません)を示すまでもなく、社会には他に解決すべき課題が山積なのです。実用化が「事実上出来ない」、おもちゃのFAでお金と暇を潰している時ではないのです。

|

« 3994 公共インフラの劣化 | トップページ | 3996 ガソリン200円時代 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 3994 公共インフラの劣化 | トップページ | 3996 ガソリン200円時代 »