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2021年10月11日 (月)

3994 公共インフラの劣化

3993の続きです。3993で言及した、水道インフラの他に、道路・橋梁・トンネルインフラや下水道或いは、ダムなど各種の公共建造物の経年劣化は、この国が直面している喫緊で、最大の問題の一つと言えるでしょう。というのも、この国の政治制度では、インフラの新規建造に当たっては、それなりに熱心に検討し、予算も付けるのですが、一方でそのインフラの維持に関しては、計画的に予算化されるケースは少なく、多くは問題が発生してからの後追い対策、後追い予算で対応する場合が多いのです。確かに、4車線化されている高速道路では、部分的な対面通行としたうえで、橋梁や路盤の改良工事は行ってはいますが、地震国であり、水害国でもあるあるこの国の道路の劣化スピードにはとても追いついていない状況です。増してや、他のインフラにおいておやでしょう。
インフラの構造に多用されているのは、言わずもがなですが圧倒的にコンクリートと鉄材でしょう。コンクリートは、経年と共にある程度は強度が増すと言われてきたのですが、一方で酸性雨による脱灰や鉄筋の劣化によって、想定以上のスピードで劣化が進行する場合も多いのです。実際、投稿者にも身近なインフラである橋梁などを観察しても、建造後20-30年程度経過したコンクリートの橋台には、かなりの劣化(ひび割れや脱灰)が観察されるのです。酷いものは、最近補修が行われましたが、劣化部の表面をモルタルで覆った程度の補修でした。
鉄の劣化に関しては、少し議論が必要でしょう。かつての稚拙な技術で製鉄され、橋梁などに使われている鉄材は、実は腐食に関しては耐久性が高い事が知られています。世界で最古と言われる英国の鉄橋が、まだ使用に耐えている事でも証明されています。確かに表面は錆びている様に見えますが、そこで腐食は止まり内部までは進行しないのです。しかし、新しい製鉄技術で作られた鉄鋼は、不純物が少ないものの、一旦腐食が進むとそのままのスピードで腐食が進行する様なのです。実際に国内では、いくつかの橋梁で、トラス部材が腐食の進行(減肉)により破断に至った事例が報告されても居るのです。
インフラや機械設備に関しての常識として、その適正な維持のためには、建造価格に対し、年々低い方の数%程度の維持費を掛けないと、劣化の進行を止める事は出来ないのです。この国の、何千兆円のインフラが存在するか知りませんが、年間たった百兆円ほどの予算で、しかもその内のかなりの割合が、借金の利払いと医療費などに消えてしまうこの国の国家予算では、その内でもインフラの維持に使われる予算など、焼け石に数滴の水と表現するしかないでしょう。今後予算不足のために必要な保守や修理が出来ずに、仕方なく朽ちるに任せて放置される「危険な」公共インフラがますます増えそうな予感がします。残念ながら・・・。

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