2006年8月11日 (金)

9 保全と保護

環境保全とか、環境保護などという言葉があまり使い分けを意識されることなく使われています。厳密に言えば、全く手付かずの自然を守るのが保護で、ある程度人の手が入った場所を維持するのが保全です。保護地区では、人間は自然に対して一切の手出しをしてはならず、ただ見守るしかない訳です。例え、他の動植物に明らかに有害と思われる動物の数が激増した場合でもです。最終的にバランスが戻るまでただ見守るのです。

一方で、保全は手がかかります。例えば、人工林や里山は、一度は人間の手が入った半自然ですから、既に未来永劫継続して手を入れ続けなければならない場所になってしまっているのです。それが、近年はお金にならないという理由だけで、完全に放棄されています。間伐がされないため木が混んでしまいヒョロヒョロに伸びた人工林、一見緑に覆われているように見えるが、生物の多様性が失われて薮になった里山、同じく放棄された結果周囲に地下茎を伸ばし放題の竹林、耕作が放棄され樹木が進出してしまった棚田などなど。保全が放棄された結果の状態といえるでしょう。では、保全のためのコストは誰が負担すべきでしょうか。村に残ったお年寄りではないはずです。これらが保全された場合に利益を得るのは誰でしょうか。たぶん、山で涵養された水を利用したり、たまに山にリクリエーションに出かけたりする都会の人間という事になりそうです。確かに、いまいくつかの件で、県民税などの形で、環境保全コストを広く薄く集めようという議論が進められている県も増えています。

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2006年8月 9日 (水)

6 環境ビジネスとは

環境ビジネスなどという言葉がマスコミを時々賑わします。いわく、省エネを請け負うESCO事業や廃棄物を燃料に変えるRDF燃料あるいは新しいリサイクル技術やビジネスなどの事のようです。ここで、環境ビジネスを、最も簡単な尺度で評価することを考えて見ましょう。その物差しの名前は「持続可能性」といいます。つまり、ある環境ビジネスを評価するのに、そのビジネスはどの程度持続可能であるかという評価基準を持ち込んだ時、より長く続くと評価されたビジネスモデルが、より環境ビジネスの理想に近いとの結論になります。もしそのビジネスモデルが、単に今起きている問題の対策にしかなっていなければ、その問題が小さくなるか、逆にもっと大きくなった時、そのビジネスモデルは崩壊することになります。

そんな難しい事を考えなくても、環境ビジネスのビジネスモデルは、少し歴史を振り返るだけでたくさん見つかります。少なくとも鎖国をしていた江戸時代まで戻れば、殆ど全てのビジネス(あるいは生業)は持続可能であることは太鼓判です。何しろ外国からの物資の補給無しに、石炭や石油も全く使わないで暮らせたわけですから。今後環境ビジネスを始めようと考えている人は、まず江戸の風俗の勉強から入るのが近道かもしれません。

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